50話 ページ50
平次「まぁ、その言い分もわからんではないけど……」
阿知波の気持ちを汲み取る平次の横で、コナンと愛梨はテーブルに広げたスクラップブックを見つめた。
試合放棄した名頃の記事には、車に乗り込もうとする皐月と阿知波の写真も載っていた。
足回りが泥で汚れた車の前では、押し寄せるマスコミから守ろうとしているのか、海江田が手を広げている。
(……何だ……この写真の違和感……)
試合当日の何てことのない写真なのに、妙に引っ掛かった。
(阿知波さんの車が今の物と違うからか……)
阿知波「どうやら名頃の方が一枚上手のようや。今、頼めるんは君らしかおらん。これ以上被害者が出んように、一刻もはよう名頃の犯行を止めてくれ」
スクラップブックを見つめるコナンと愛梨の隣で、平次は「ああ、まかしとき!」と自分の胸を叩いた。
翌日。
『高校生皐月杯争奪戦』と書かれた大きな看板を掲げた阿知波会館の前にはたくさんのパトカーが停まり、厳重な警戒態勢が敷かれていた。
入ってくる車は全て検問を受け、会館の入り口ではボディチェックが行われている。
阿知波会館の入り口に設けられた検問所には、大滝や綾小路など警察関係者をはじめ、小五郎、平次、コナン、愛梨が立っていた。
観戦会場の方からワアアッと歓声が聞こえてくる。
大滝「始まったようやな」
大滝は会場の方を見た。
小五郎「まぁ、これだけ警備が万全なら、名頃も入ってこられねぇだろ？」
小五郎の言葉に、綾小路は自信に満ちた顔で「ええ」とうなずいた。
綾小路「名頃どころか、あらかじめスタッフ登録していない者は誰一人として入れません」
検問所には指紋認証機があり、事前に指紋登録をしていない者は入れないのだ。
大滝「事前の捜査も万全やしな」
綾小路「ええ。名頃の好きにはさせませんよ」
綾小路たちが話している横を、スタッフ用の帽子とジャンパーを着た男が通り過ぎた。
係員による金属チェックを受け、指紋認証機の前に立つ。
男はためらうことなく、親指にごつい指輪をはめた手を読み取りセンサーに押し当てた。
『PASS STAFF』と表示されて、係員が「どうぞ」と通す。
男は平次とコナンと愛梨の前を通り、奥へと進んで行った。
その姿に見覚えがあるような気がして、平次は眉をひそめた。
平次「アイツ……どっかで……」
コナン「どうした、服部？」
平次「いや、何でもない」
思い違いか───と平次が思った時、愛梨のポケットでスマホが震えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 155人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「名探偵コナン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マロン - 立て続けのコメント失礼します！から紅の恋歌のあとは紅の修学旅行書いて欲しいんですけどいいですか？二回目ですけど応援してます！頑張ってください！！ (2019年9月21日 20時) (
レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - マロンさん» ありがとうございます！(泣) (2019年9月8日 2時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 夜にすみませんいつも楽しんで読ませてもらってます！瞳の中の暗殺者の「大切だからだよ！」ってセリフのところ、夢主ちゃん(愛梨ちゃん)かっこよすぎじゃん、えマジでかっけーってなって家族に変な目で見られましたρ(тωт`) ｲｼﾞｲｼﾞこれからも応援してます！ (2019年9月7日 21時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 夢小説なので。ここでは夢主ちゃんが主人公なので新一くんの言葉をとるときはあります (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 新一くんは夢主ちゃんと付き合っているんですよ。蘭は新一より夢主の方が好きという設定です。一応設定に書いてありますけど (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さきっち
| 作成日時：2018年9月2日 17時
