【名探偵コナン】 双子は美少女で名探偵と怪盗!? から紅の恋歌

41話 ページ41

愛梨はテーブルに置いたスマホを取り、名頃の写真を見つめた。

愛梨「それで今、名頃さんと名頃会はどうなってるの？」

阿知波「名頃会は会長不在のため解散し、名頃君本人もいまだ消息不明や」

遠山「まさか、今回の事件は、その名頃が皐月会への逆恨みから……」

遠山の推測に、阿知波は「わかりません」と首を横に振った。

阿知波「ただ……同時、名頃会の解散を強硬に主張してたんは、殺された矢島君やったんです」

大滝「なんやて!?」

大滝が思わず声を上げた。
コナンたちも驚いて阿知波に注目する。

阿波地「我々皐月会としては、事を荒立てず、穏便に済ますつもりやったんですが、それも叶わず……」

平次「ほんで、解散した名頃会のメンバーは？」

平次がたずねると、阿知波は前を向いた。

阿知波「もちろん、希望すれば皐月会に入れるようにしたよ。もっとも、入会したのは2人だけだったがね……」

平次「ひょっとしてその2人っちゅうんは……」

阿知波「ああ。大岡君と関根君や」

遠山「さっき爆破事件に巻き込まれた2人か!?」

遠山の言葉に、阿知波は「ええ」とうなずいた。

阿知波「特に、大岡君は名頃君のテクニックを徹底的に教え込まれて腕を上げていき、数ある得意札も同じ。しかも歌に紅葉の情景を詠った6枚の札は逃したことがない。まさに一番弟子と言える存在やった……」

平次「なぜ名頃の得意札は歌に『紅葉』が含まれてるんや？」

平次がたずねる。

阿知波「名頃君の名前が『鹿雄』だからと聞いとるよ」

コナン「鹿肉か……」

コナンがつぶやくと、阿知波は少し驚いて「そうや」と言った。

阿知波「鹿の肉を『モミジ』と言うやろ」

ホワイトボードの前に立った大滝は、腕を組んで考え込んだ。

大滝「一番弟子やった彼女が皐月会に入って活躍してるちゅうんは、名頃にしたら面白ないやろうなぁ」

遠山「そやけどなんで今になって……それにわざわざ爆破予告のメールを送ってきた理由は何や？」

遠山が疑問を口にすると、平次はうつむいて考えた。

平次「5年もの間、沈黙しとった理由はまだわからんけど……あの予告メールは、自分が戻ってきたっちゅうことをアピールしてるんとちゅうか？」

平蔵「ちゅうことは……一連の事件は、名頃鹿雄による皐月会への復讐とみて捜査すべきか……」

平蔵が腕を組んで捜査方針を考えていると、大滝のスマホが震えた。
大滝は胸ポケットからスマホを取り出しながら、ホワイトボードの後ろへ駆けこんでいく。

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