31話 ページ31
小五郎と別れたコナンと愛梨は、ホテルの大広間の前に来ていた。
中では高校生皐月杯争奪戦の抽選会の準備が着々と進められている。
二人はこっそり中に忍び込み、並べられた椅子の陰からズームマップしたメガネとピンでステージを見た。
大きなトーナメント表が掲げられたステージでは、阿知波がスタッフと台本のチェックをしている。
コナン「例のあの人が犯人なら、今夜、阿知波さんが狙われることはなさそうだが……」
するとそのとき、スカートのポケットの中でスマホが震えた。───蘭からだ。
愛梨はコナンを連れてはすばやく大広間から出ると、扉の後ろに隠れて電話に出た。
愛梨「どうしたの、蘭姉ちゃん」
蘭『用事は済んだの?』
愛梨「う、うん」
愛梨は返事をしながら、大広間を振り返った。
すると、阿知波がステージを下りて、秘書とボディーガードを連れてこっちに歩いてくる。
蘭『じゃあコナン君と一緒に早く部屋に戻ってきてね。あんなことがあったから心配で……』
愛梨「うん、わかった。すぐに行く」
電話を切った愛梨の横でコナンは、ポケットからボタン型の発信機を取り出した。
そして阿知波が通り過ぎていくと、阿知波の背中に向けて発信機を指で弾き飛ばす。
コナン「よし。これで外に出たとしても追えるな……」
すると突然、阿知波が立ち止まり、前から現れた着物姿の女性に挨拶した。
きれいに結い上げた髪に切れ長の瞳が印象的な美人だ。
その顔と凛としたたたずまいに、コナンと愛梨は見覚えがあった。
愛梨「あの人って、確か……でも、何でここにいるんだろ?」
コナン「さあ……」
客室の本間では、和葉と蘭がかるたの取り札を挟み、向かい合わせに正座をしていた。
〈ちぎりぎ───〉
百人一首読み上げ機から上の句を読む声が流れるやいなや──バシッ!和葉が札を弾き飛ばした。
一直線に飛んだ札は、床の間の前で小五郎が広げていたスポーツ新聞を吹き飛ばし、小五郎の右耳のすぐそばで柱に突き刺さった。
子供たちが「おぉ〜!」と声を上げる。
元太「姉ちゃん、スゲーな」
歩美「すごい、すご〜い!」
光彦「仮面ヤイバー並みの速さです!」
和葉の札を取る迫力に驚いて尻餅をついた蘭は、う〜ん、と唸った。
蘭「やっぱりわたしじゃ練習相手は無理よぉ〜」
小五郎「コォラ〜!危ねーだろーがよ!!もーちょっとで……」
小五郎が立ち上がって声を荒げると、
コナン「ただいまー」
コナンと愛梨が襖を開けて入ってきた。
155人がお気に入り
「名探偵コナン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マロン - 立て続けのコメント失礼します!から紅の恋歌のあとは紅の修学旅行書いて欲しいんですけどいいですか?二回目ですけど応援してます!頑張ってください!! (2019年9月21日 20時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - マロンさん» ありがとうございます!(泣) (2019年9月8日 2時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 夜にすみませんいつも楽しんで読ませてもらってます!瞳の中の暗殺者の「大切だからだよ!」ってセリフのところ、夢主ちゃん(愛梨ちゃん)かっこよすぎじゃん、えマジでかっけーってなって家族に変な目で見られましたρ(тωт`) イジイジこれからも応援してます! (2019年9月7日 21時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 夢小説なので。ここでは夢主ちゃんが主人公なので新一くんの言葉をとるときはあります (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 新一くんは夢主ちゃんと付き合っているんですよ。蘭は新一より夢主の方が好きという設定です。一応設定に書いてありますけど (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さきっち | 作成日時:2018年9月2日 17時