【名探偵コナン】 双子は美少女で名探偵と怪盗!? から紅の恋歌

30話 ページ30

関根は周りのパトカーや警官を見てたずねた。

阿知波「矢島君は……殺されてしもうた……」

阿知波が苦し気にうつむいて言うと、

関根「えーーっ!?」

関根はひどく驚いた声を上げた。

阿知波「強盗の仕業っちゅうことらしい。渡り廊下にあった刀で……」

関根「刀て、そんな……」

ガクリと肩を落とす関根に、綾小路は手を向けた。

綾小路「阿知波さん、こちらの方は？」

関根「こらスンマセン!」

関根はペコリと頭を下げた。

関根「皐月会会員でカメラマンやっとります、関根康史といいます」

阿知波「関根君は矢島君のライバルで、ここ2年、皐月杯決勝はこの2人の対戦やったんです」

阿知波が紹介すると、関根は恥ずかしそうに頭をかいた。

関根「まぁ2年連続で負けて、今年こそは思ってましたんやけど……もう彼とは対戦できんのですね……」

小五郎「それで、大会は予定通り開催されるんでしょうか？」

小五郎がたずねると、阿知波は「ああ……」と困った顔をした。

阿知波「それなんですが、どないしたもんかと……」

関根「会長っ、あきませんで!」

阿知波に迫った関根は、首を横に振った。

関根「矢島の死で伝統ある皐月杯が中止になってしもたら、矢島は無駄死にどころやない、殴られ損や!!」

(───!!)

コナンと愛梨と平次はハッと目を見開いた。
顔を見合わせて、うなずく。

阿知波「関根君。少し言葉を慎みたまえ」

阿知波に言われて、関根は「すんません、つい……」と肩をすくめた。
そこに綾小路が間に入った。

綾小路「京都府警のもんですが、2、3伺いたいことがあるんですけど、少しお時間いただけますか？」

関根「ああ、そらもう、何でも答えまっせ」

綾小路「ではこちらへ」

二人がパトカーの方へ行くと、阿知波は小五郎に声をかけた。

阿知波「毛利さん、私はそろそろ大阪に戻ろうかと……」

小五郎「ええ、そうですな。ご一緒します」

小五郎と阿知波も去っていき、残った平次は、「なぁ、工藤、A」とコナンと愛梨に声をかけた。

平次「オレ、犯人わかってしもたで」

コナン「オレもだ」
愛梨「私も」

三人の頭の中に同じ人物が浮かんでいた。

愛梨「矢島さん殺しは、たぶんあの人ね」

コナン「ああ。だが、皐月会を狙ったと思われるテレビ局爆破も、彼の犯行と考えるにはまだ……」

平次「せやな。阿知波さんと紅葉に関しては、さっき決めたとおり見張っといた方が無難やな」

コナンと愛梨は「ああ」「うん」とうなずいた。

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