【名探偵コナン】 双子は美少女で名探偵と怪盗!? から紅の恋歌

37話 ページ37

関根「ったく、失礼なやっちゃ」

ネクタイを直しつつ、廊下で待っていたホテルのスタッフの前を通り過ぎていく。
開いたドアから廊下に顔を出した平次とコナンと愛梨は、歩いていく関根の後ろ姿を見送った。

平次「今の揺さぶりで、ヤツがどう動くか……」

愛梨,コナン「ああ……」





コナンと愛梨と平次が高校生皐月杯争奪戦の抽選会場に行くと、すでに抽選が始まっていた。
ステージには司会進行役の関根が立ち、その背後に設置されたモニターにはトーナメント表が映し出されていた。
すでに何人もの名前が出ていて、和葉はDブロック、紅葉はAブロックだった。
二人が対決するのは、互いに決勝まで勝ち進まなければならない。
三人は、会場脇に並ぶ撮影スタッフの後ろに潜り込んだ。
ここからなら、壇上に立つ関根の様子がよく見える。

平次「怪しい動きはなさそうやな」

コナン「となると、注意すべきは……」

コナンが愛梨に視線を向けると愛梨はスマホを取り出して操作した。

平次「例の試合会場か？」

愛梨「うん。さっき調べたんだけど、厄介なことになりそうだよ」

と、スマホに表示された試合会場の画像を見せた。
『阿知波会館』と表示された画像をスワイプすると、会場の全体図や建物の中などの画像が次々と現れた。
森に囲まれた広大な敷地の中には、神社の社殿のような建物がいくつもあり、湖や滝まである。

平次「それにしてもえらい広さやなぁ。───ん？」

平次は、切り立った断崖の下に立つひときわ高い建物に目を留めた。

平次「崖の途中にあるこの建物は何や？」

と親指と人差し指で建物を拡大する。

愛梨「皐月堂だよ」

平次「皐月って…」

コナン「ああ。阿知波さんが奥さんの皐月さんを想い建てたことから、そう命名されたって話だ。決勝戦専用の会場で、選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できるように設計されているらしい」

コナンに言われて、平次は改めて皐月堂の画像を見た。
皐月堂のそばには滝が流れ落ち、その先の湖には小舟が浮かんでいる。
湖面から立ち上るもやの中にそびえ立つ皐月堂は、厳かで神秘的な雰囲気を醸し出している。

平次「なるほど……。ここに登ることができるんは一年に一度、それも読手の阿知波さんと、勝ち残った2名だけっちゅうことか」

愛梨「試合の動向は、会場に設置されたカメラとマイクによって、川を隔てた観戦専用の会場に届けられるシステムよ」

平次「大層なこっちゃな……」

平次は半ば呆れたように呟いた。

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