37話 ページ37
紗世子『理由はわからないけど、拘置所で公安警察が異例の取り調べをした後すぐにね』
プツッと電話が切れて、日下部の手からスマホが滑り落ちた。
がくりと膝をついた日下部の眼前に、そびえ建つ警視庁がある───。
その場にうずくまって、日下部は絶叫した。
去年のことを思い返していた日下部は、赤レンガ造りの建物の向こうにそびえる警視庁を再び見上げた。
あの建物を見るたびに、羽場が自 殺した日のことが日下部の脳裏にじわじわとよみがえってくる。
日下部「羽場を自 殺に追いやったのは……いや、殺したのは公安警察だ!!」
安室「それで警視庁に探査機を落とす計画を……?」
安室の言葉で、日下部は膝をついたまま「ああ」とうなずいた。
日下部「〈はくちょう〉の帰る日が、羽場の命日だと知ったときから……」
愛梨「IoTテロは?」
目の前に立つ愛梨に訊かれて、日下部は顔を上げた。
日下部「計画にはなかったが、検事として無実の人間を起訴させるわけにはいかなかったんだ!」
安室「毛利小五郎が犯人じゃないと証明するために、IoTテロを……」
日下部は「ああ」と力なく答えた。
日下部「だが、とっさのことで、被害の規模は予想を超えていた」
コナン「もうこれ以上罪を重ねちゃダメだ。不正アクセスして変更したコードを教えて!」
日下部「公安検察は正義を守るプロだ。羽場のような正義が失わちゃいけない!」
日下部が立ち上がって訴えると、安室は背後から日下部の肩に手を置いた。
安室「コードを言うんだ」
日下部「私を逮捕すればいい!取り調べでは一切を黙秘する」
愛梨「日下部検事」
安室の手を跳ねのける日下部に、愛梨は取り出したAのスマホ画面を見せた。
画面には、上空から撮られた屋上ヘリポートが映っていた。
Hマークの辺りに誰かが立っていて、その人影がどんどんクローズアップされていく。
『日下部さん』
大きくハッキリと映ったその人影が、こちらに向かって呼びかけた。
日下部「バ……バカなっ!?」
日下部は目を疑った。
屋上ヘリポートに立っているのが───自 殺したはずの羽場だったからだ。
日下部「なんで羽場が……!!」
愛梨「警視庁のライブ映像だよ」
スマホを見せた愛梨はニヤリと微笑んだ。
日下部「ど……どういうことだ」
ワケがわからない日下部は思わず後ずさりして、安室を見た。
安室「拘置所で彼を取り調べた公安警察は、彼を自 殺したことにして、これまでの人生を放棄させたんだ」
147人がお気に入り
「名探偵コナン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レモン - 14話の風見さんのセリフ、2291だったと思います…。 (2020年2月16日 11時) (レス) id: 2c1ae78a3f (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - セレーナさん» 教えてくださりありがとうございます! (2018年9月12日 17時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ - 18話のじぇけッとはジャケットだと思うわ (2018年9月12日 16時) (レス) id: d7a9e3a4b0 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜の夜に咲き誇る華(プロフ) - ページ44の台詞間違えてます、公園じゃなくて公安ですよ (2018年8月29日 20時) (レス) id: 25ecde7308 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - セレーナさん» 本当ですね。ありがとうございます! (2018年8月23日 4時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さきっち | 作成日時:2018年6月22日 22時