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第3話 ページ5

翌日。


「姫様、おはようございます」

「おはようございます、A」


フラフラと城内を歩いていたAは後ろから掛けられた声に振り返った。
そこにはハクとスウォンがいて2人の持っている物を見て首を傾げる。


『弓?』

「久しぶりにハクと馬弓をしようと思いまして」

「1人ですか?」


ハクの質問にAは頷いた。


『カナはヨナを起こしに行ってるわ』

「あぁ、なるほど」

「そうだ!Aもやりませんか?」

『「え?」』


突然のスウォンの言葉に驚きの表情を浮かべるハクとA。
そんな2人にスウォンはニコリと微笑んだ。


「ほら、Aは弓、得意でしょ?」

『そうだけど…』

「姫様、弓の腕落ちてるんじゃありません?」

『お黙りハク』


ニヤニヤと笑いながら言うハクに即答で言ったAは額に青筋を浮かべながらスウォンの申し出を受けた。


『いいわ。私もやる』

「わぁ、やりましたね、ハク!」

「そうですね。姫様の腕が落ちてないことを祈りますよ」

『さっきから意地悪なことばかり言うわね!』


ハクに突っかかるAにそれを笑いながら流すハク。
2人の顔はとても楽しそうでスウォンはそれを見ながら悲しそうに瞳を俯かせた。


―――私だって、あなたの事が好きなんですよ―――





スウォンの矢が的の端に当たると、それに続いたハクの矢が真ん中に当たった。
その様子を馬に乗りながら見ていたAはさすがハク…と感嘆の笑みを浮かべて馬を歩かせる。


―――ハクはど真ん中、スウォンは端の方…久しぶりにやるからできるかな…―――


「姫様、大丈夫ですか?腕の力が落ちすぎて弓すらひけませんか?」

『ハク、さっきからしつこい』


スウォンと共に戻ってきたハクを一蹴すると、Aは『見てなさい』と言って馬を走らせる。
桃色の髪が風に靡き、弓を構え、的を見つめるAの姿をハクとスウォンは見つめた。
キリキリと弓を引き絞ったAは、鋭く的を睨みつけると矢を放った。
射った矢はハクの矢より横に。



スト…ッ



「あ〜惜しかったですね、A」

「やっぱり腕落ちたんですよ」

『うるさいハク』


馬に乗って戻ってきたAに労いの言葉を掛けるスウォンと意地悪な事を言うハク。
そんなハクにAはぴしゃりと言うと、はぁ…とため息をついた。


『やっぱり落ちたのかしら』

「最近してなかったんですか?」

『ええ。スウォンは腕上げたんじゃない?』

「まだまだ2人にはかないませんけどね」

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ムーミン一家 - 暁のヨナ、私も最近ファンになりました!面白いですよね〜ちなみに私はジェハ押しです。これからも頑張って下さい! (2018年7月21日 23時) (レス) id: 8c840e0186 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年7月7日 19時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - 待ってました!更新これからも頑張ってください♪ (2018年7月6日 18時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2018年7月6日 17時

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