【暁のヨナ】 導きの桃龍

第19話 ページ21

「君達がそういう仲だとは知らなかったよ」

『ち、父上。誤解よあれはっ』

「ああ言えば、もう彼は来ないでしょう」

「一生来なくていいわよ」

「まあまあ、カナ」


ボソリと言ったカナにイルが苦笑しながら宥める。


「ハク。やっとAの護衛をする気になったんだね」


―――全く、あんたら親子は―――


「君になら任せられると思っていた」

「…高いですよ、俺は」

「どうか、Aを頼む」


そう言うイルにハクは膝をついて応えた。
その姿をカナは笑みを浮べて見つめる。


―――どうも放っておけない。



それに



この王は臆病などではない―――









―――イル陛下。



今もどこかで俺らを見ておいでか…？



あなたの心残りは俺たちが守る。







そして必ず


あなたの城へ戻ります―――

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