第1話 「皇女」 ページ3
ここは高華王国
そしてかつての私達の城 緋龍城は
当時
王の他には世継ぎの皇太子も
世継ぎを産む皇后も無く
ただ
齢15の2人の皇女が
大切に大切に
育てられていた
「ねえ、父上。私の髪、変じゃない?」
「変じゃないとも。ヨナの美しさはどんな宝石も敵わんさ」
「顔はね。私もそこそこ可愛く生まれたと思うわ。でもね父上」
自身の髪をくるくると指に絡ませ、父であるイル陛下に問い掛けるのは第2皇女のヨナ姫。
そんな彼女に柔らかな笑みを浮べて答えるのはイル陛下。
「この髪!どうしてこう赤毛でくせっ毛なのかしら。姉様はサラサラの綺麗な桃色なのに。ちっともまとまらない〜〜ッ」
「そんな事ないだろう。なあ、ハク、カナ」
ムキ〜〜と叫ぶヨナにイルは苦笑しながら助けを求めるように後ろに控えている男と女に視線を向けた。
それに応えるようにカナはクスッと笑みを浮かべる。
「ええ、イル陛下。姫様のお髪が変などと誰が申しましょうか」
「あえて申し上げるなら
「お黙り下僕」
キリッとした顔で言うハクにヨナはすぐさま答えると周りにあった物をハクに投げつける。
「父上、こいつ何とかして!従者のくせに態度でかすぎ」
「まあまあ。ハクとカナはお前の幼馴染みだろう」
ハクに物を投げつけるヨナにそれを軽々と受け止めるハク、そしてそんな光景を笑って見ているカナを見てイルは微笑ましい顔で言った。
「それにハクは18にして城でも指折りの将軍で、カナは17にしてハク同様の力を持っている。護衛にはうってつけ……」
「そんなの知らない。カナはともかく護衛ならもっと可愛げのある人がいい」
『可愛いと言えば、いいの?可愛くしとかなくて。着いたみたいよ?スウォン』
「「「姉様/A姫様」」」
突然の声に顔を向けると入り口には桃色の髪を靡かせたAが立っていた。
ヨナはその姿に駆け寄って抱き着くと、先程の言葉を思い出してハッと顔を上げた瞬間、
「姉様、それを早く言ってよっ」
ドタドタドタと入り口を出て走っていった。
「スウォン?だから髪を気にしていたのか?彼はヨナの髪なんて今更だろうに。イトコなんだから」
「乙女心ってヤツなんじゃないですか」
「姫様もお年頃ですし」
「なにっ」
お茶を飲みながらそう言うハクとカナに驚きの表情を浮かべるイル。
するとミンスがイルを呼びに来てイルは政務へと戻っていった。
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ムーミン一家 - 暁のヨナ、私も最近ファンになりました!面白いですよね〜ちなみに私はジェハ押しです。これからも頑張って下さい! (2018年7月21日 23時) (レス) id: 8c840e0186 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年7月7日 19時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - 待ってました!更新これからも頑張ってください♪ (2018年7月6日 18時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2018年7月6日 17時