第16話 ページ18
驚いたように目を見開くとぼっとその顔を真っ赤に染め上げたA。
するとヨナがAの腕を引いた。
「ダメよ。なんでハクなんかと」
「じゃあカン・テジュン様とテキトーに仲良くするんですね。たまには外の話を聞くのも必要ですよ」
『えっ』
適当に切り上げようとしたハクに声を上げるA。
するとヨナが不貞腐れたように口を開いた。
「……ハク、冷たい。スウォンなら絶対、そんな事言わないわ」
「―――だったら!スウォン様に守ってくれと泣きつきゃいいだろうが!」
その言葉に目を見開くAとヨナを置いてハクはその場を去っていった。
『ハクっ!』
呼び止めるAの声も無視して。
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「あ゛ーーっ。早く風邪の部族の屋敷へ戻ろうぜ、ムンドク将軍」
「お前…何をイラついとるんだ。そしてじっちゃんと呼べ」
「イラついてなんかいませんよ」
素っ気なくハクがそう言うとムンドクは「イラついとるんだな…」と溢しながらその場を去っていった。
するとハクの耳にコンと音が聞こえて、それに目を向けるとひょこっと顔を出すAの姿。
「A姫。何でここに……」
よじよじと登ったAは持ってきた野菜やら果物をボトボトとその場に広げた。
『昼間はごめんなさい。私がふがいないから怒ったんでしょう。私は高華国の誇りある姫なんだからうだうだ言ってないで自分で何とかしてみる。じゃね』
そう言ってストンと降りていくAにハクが「あっおい」と声をかけると、ぴんと人差し指を立てた。
『それあげる。仲直りの賄賂ね』
そう言って駆け出していったAを見送り、ハクは近場にあったりんごを手に取った。
「―――……だから姫さんとはあまり関わりたくねェんだよ」
しゃりっとりんごを一口食べたハクは夜空を見上げた。
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ムーミン一家 - 暁のヨナ、私も最近ファンになりました!面白いですよね〜ちなみに私はジェハ押しです。これからも頑張って下さい! (2018年7月21日 23時) (レス) id: 8c840e0186 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年7月7日 19時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - 待ってました!更新これからも頑張ってください♪ (2018年7月6日 18時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2018年7月6日 17時