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第12話 ページ14

先刻(さっき)まで姫様方のお誕生日だと幸せそうに笑っていらしたのに」


すると遠くから「いたか?」「そっちだ」とA達を探している衛兵の声が聞こえた。
そっちに顔を向けたカナが呟く。


「見つかるのも時間の問題ね」

「私が逃げ道を確保します。4人はこの城から脱出して下さい」

「それは…」

「緋龍城はスウォン様が率いて来た兵とスウォン様を支持する兵が集まりつつあります」

「捕まれば間違いなく殺される…か」


ハクの呟いた言葉にヨナを肩に寄りかからせて、木に背中を預けていたAが口を開いた。
涙は流れていないがその虚ろな瞳は何処を見ているかわからない。


『どこへ…行くの…?私達……宴の時……父上が泣いて喜んでいたのに、一言も言わなかったわ。ありがとう……って。ここは父上の城よ…父上を置いて…どこへ…どこへ行くというの…?』


その言葉を聞いたハクがAを抱きしめた。


「どこへでも行きますよ。あんたたちが生きのびられるなら。それが陛下への想いの返し方です」


ハクの言葉を聞きながらカナはギリッと拳を握りしめて、


―――スウォン、絶対に許しはしない―――


スウォンへの憎念をその身に降り積もらせていた。









「ここから裏山に出られます」

「ああ」

「わかったわ」


裏山に通じる門へと案内してくれたミンス。
すると、ドタドタと足音が聞こえ衛兵たちのA達を探す声が聞こえた。
それにすぐさま気づいたミンスが踵を返す。


「私が引きつけます」

「『ミンス!』」


引き留めるようにAとヨナがミンスの名を呼ぶと。


「姫様、どうかご無事で」


2人がその言葉に目を見開くと、ミンスはAの肩掛けを頭に被せて走り出した。


「いたぞ」

「あっちだ」


兵から放たれた矢は真っ直ぐにミンスの背へと突き刺さった。
ハクとカナに連れられて裏山へと逃げる中、振り返ったAとヨナの目に映ったミンスのその姿が最後だった。

第13話 「うしろ手の強さ」→←第11話



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ムーミン一家 - 暁のヨナ、私も最近ファンになりました!面白いですよね〜ちなみに私はジェハ押しです。これからも頑張って下さい! (2018年7月21日 23時) (レス) id: 8c840e0186 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年7月7日 19時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - 待ってました!更新これからも頑張ってください♪ (2018年7月6日 18時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2018年7月6日 17時

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