第9話 「ちぎれた絆」 ページ11
ハクと別れたAはヨナの姿を探していた。
もしかしたらイルの所にいるのかもしれないとイルの部屋へと向かったのだが、中に入った瞬間に見えたのは信じたくない光景だった。
「なぜ、来たのですヨナ姫」
「…伝え…たくて…姉様と…スウォンの事を、父上に認めてもらい…たくて…」
血の滴る剣を握って返り血を浴びているスウォンと胸から血を流したイルを膝に乗せているヨナ。
Aはそれを見て、少ししか開けていなかったドアを思い切り開けた。
現状など説明してもらわなくてもわかる。
スウォンはイルを殺したのだ。
その手に持っている剣で、A達の父上を、この国の王をーーー殺したのだ。
『スウォン、あなた…!』
「姉…様…」
「A姫まで来たのですか…」
ヨナの元に駆け寄り庇うように前に出てスウォンを睨みつける。
すると、先程Aが開けたドアから「スウォン様!!」とたくさんの城の衛兵が入り込んできた。
「準備、全て整いました」
「おお、これは…」
「国王が…では本懐を遂げられたのですね」
「ん？」
口々に床に倒れているイルを見て言っていた衛兵たちが傍にいるAとヨナの姿を見つけた。
「スウォン様、この娘達…A姫とヨナ姫では…」
ぎゅっと涙を流しながらAに抱き着くヨナをAはきつく抱きしめた。
衛兵たちを睨みつけるA。
「姫に…まさか見られたのですか？ならば話は早いではないですか。殺しておしまいなさい、スウォン様。姫達の口を封じるのです」
見知らぬ人の言葉にA達は唖然と目を見開いた。
「このまま生き長らえても辛い思いをなさるだけでしょう」
スウォンとAの視線が交錯する。
『ス…ウォン…』
Aが名前を呼ぶとスウォンは覚悟を決めたようにA達を見据えてスッと剣を構えた。
その瞬間、Aは唇を噛み締めると、
『ヨナ!』
ヨナの手を引いて衛兵たちの間を掻い潜り逃げ出した。
「…捕まえて下さい」
「はっ」
スウォンが衛兵たちにそう告げる。
逃げ出した後、Aは涙を流しイルの死を受け入れられていないヨナの手を引いて必死に逃げていた。
―――誰。あの人は誰？父上を殺し、私達を殺そうとする。あの人は、スウォンじゃない。私達の大好きなスウォンじゃない―――
その時、衛兵の鞭がバシッとヨナの足を捉えて2人揃ってその場に倒れてしまった。
「お覚悟を、姫様」
「これも高華国の為なのです」
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ムーミン一家 - 暁のヨナ、私も最近ファンになりました！面白いですよね〜ちなみに私はジェハ押しです。これからも頑張って下さい！ (2018年7月21日 23時) (
レス) id: 8c840e0186 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年7月7日 19時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - 待ってました！更新これからも頑張ってください♪ (2018年7月6日 18時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2018年7月6日 17時
