第44話 ページ46
「隠れて」
「絶対動かないで下さいよ」
カナとハクにそう言われて草むらに隠されたAとヨナ。
Aは自身の手についた血を見て『ハク』と呼びかけた。
『お前、血が…っ』
「返り血ですよ」
その答えにカナが何か言おうとしたがハクに目配せをされ、2人はザザザと駆け出していってしまった。
「ハクっカナっ」
―――さっき私達をかばった傷が…
ーーー《一緒に行くならどうしたって俺はあんたを守らなきゃならない》ーーー
私は…―――
「姉様？」
考え込んでいたAにヨナが声を掛けた時、ガサッと草が揺れた。
「A姫とヨナ姫はどこに消えた？」
その声に2人ははっと目を見開いた。
―――カン・テジュン―――
「ハクとカナがどこかに逃がしたようですね」
「必ず見つけ出せ!」
崖から下を見下ろすテジュンの視線は兵たちと戦っているハクとカナに向けられている。
「雷獣と黒豹も人の子よ。だいぶ疲れがあるようだな」
「先程当てた矢は毒矢です」
その言葉にAとヨナが顔を見合わせた。
「常人ならばまず動けません。恐ろしい男です」
「何!?それを姫に向けたのか!?」
「向ければ2人は体を張ってでも矢を止めると確信がありましたから」
「カナには当たりませんでしたが…」と溢した兵の言葉にAは唇を噛み締めた。
「じゃあ次に背中を向けた時を狙え」
((!!))
―――ハクとカナが殺される!?―――
バッとAが動こうとした時、ハクの言葉が脳裏をよぎった。
ーーー《絶対動かないで下さいよ》ーーー
ぐっと拳を握りしめる。
隣にいたヨナが心配そうにAを見つめた。
―――そうだ。私が出て行ってもかえって足を引っぱる。さっきみたいに。
じっとしてた方がいい。
息を殺して。
大丈夫よ。
ハクとカナはあんなに強いんだもの。
2人なら矢くらいよけられる。
ここで大人しくして2人が来るのを待とう。
2人は、死んだりなんか
ちがう
私は、なんのために風牙の都を出たの？
ハクとカナに守られてこそこそ生きるため？
それなら風牙の都にいればよかったんだ。
2人がいなくなったらどうするの？
自分は非力だと、あきらめて
このまま、ヨナと共にじっとしているつもり？―――
ーーー《神官様がこれからの道をきっと示して下さる》ーーー
Aがチラリと隣のヨナを見るとその視線に気づいたヨナが振り返る。
2人の視線が交わった時、Aはヨナに微笑みかけた。
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ムーミン一家 - 暁のヨナ、私も最近ファンになりました！面白いですよね〜ちなみに私はジェハ押しです。これからも頑張って下さい！ (2018年7月21日 23時) (
レス) id: 8c840e0186 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年7月7日 19時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - 待ってました！更新これからも頑張ってください♪ (2018年7月6日 18時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2018年7月6日 17時
