第14話 ページ16
「ハク。こらハク!」
「ん?」
ソン・ハク 15歳
「小僧め…今日は五部族会議があるから風の部族としてお前も出席しろと言ったろーが」
そう言ってハクを見下ろすのは、風の部族長 ソン・ムンドク。
「会議なら風の部族長であり高華国ご将軍の一人、ムンドク様のみ出席なされば良かろう」
城までついて来ただけで十分だろう、とハクが言う。
「それにぽよ〜〜んとしたイル陛下の話には付き合ってられ……」
「バカモノ!!ムンドク様ではない!じっちゃんと呼べ!!」
「そっちかよ!俺とアンタは血繋がってねーだろうがっ」
「血がどーした、そんなもん愛の前には無力!!」
「うげーーー」
どか、ばきと二人が言い合いをしていると、
「こらこら。ムンドク将軍とその後継者ハクが暴れたら、緋龍城が吹き飛んじゃうじゃないか」
にこりと微笑みながらイルが二人の元へ来た。
その後ろにはカナもいる。
「これはイル陛下」
(やべ。ぽよ〜んとしたとか言っちまった)
床に伏礼するムンドクの隣でハクが冷や汗をかいていると、イルは「ああ、伏礼なんかいーのいーの」とムンドクの頭を上げさせた。
イルの後ろにいたカナはしっかりとハクの「ぽよ〜ん」発言を聞いていたため、アホ…と目を細めながらハクを見ている。
「久しぶりだねハク。昔みたいに城に遊びに来てくれなくて淋しいよ」
「や、俺みたいな平民が気軽に出入りする訳には」
「そんなの気にしないで。Aとヨナもハクがいないと淋しがっている」
―――いや、姫さんは無いだろう。でもA姫なら嬉しいかもな…―――
「ははは。嘘つけこのぽよん」
ハクがにこやかにそう言うと周りの空気が一瞬固まった。
イルの後ろにいたカナが盛大なため息をついて頭を抱えた瞬間。
「ぽよんとは何じゃぁああ!!」
バチコンッ
「ギャーーーーッ」
ムンドクがその場にあった木材でハクの頭を叩いた。
押しつぶされながらそれに悲鳴を上げるハク。
「こんな無礼者、もはやワシの孫ではないっっ!」
「だから俺はアンタとは血繋がってねーんだって!」
ぎゃあぎゃあと喚き立てる二人をイルが「暴力はいけないよ、ムンドク」と止めに入る。
「私はハクのそういう裏表のない所がお気に入りなんだ」
おまんじゅうあげるねとイルが饅頭を差し出すと素直にそれを受け取るハクの頭をカナが強く叩いた。
「なに素直に受け取ってんのよ。礼は?」
「なんでお前に言わなきゃいけないんだ!」
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ムーミン一家 - 暁のヨナ、私も最近ファンになりました!面白いですよね〜ちなみに私はジェハ押しです。これからも頑張って下さい! (2018年7月21日 23時) (レス) id: 8c840e0186 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年7月7日 19時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - 待ってました!更新これからも頑張ってください♪ (2018年7月6日 18時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2018年7月6日 17時