53話 ページ3
ストレッチャーに横になった愛梨に付き添っていた蘭が小五郎に顔を向けて口を開く。
蘭「ねえ、新一とAでもお父さんみたいに撃ったと思う?」
小五郎「さあな……オレぐらいの腕がありゃ、撃ったかもな」
蘭「私もそう思う。ね、愛梨ちゃん!」
愛梨「そうだね」
ニコリと笑みを浮かべた愛梨は(撃つよ、私も新一も……)と心の中で呟く。
すると蘭が愛梨の手に握られているトランプに気が付いた。
蘭「あれ?愛梨ちゃん、それ……」
愛梨「え?あ、これ、新一兄ちゃんのカード、スペードのエースだよ……。私、ずっと握りしめてたんだ」
そう言って軽く蘭と小五郎に見せた愛梨は両手でトランプを包み込んだ。
そんな愛梨に蘭は「そっか」と優しく微笑み、愛梨の顔を覗き込んでニコリと笑みを浮かべた。
蘭「もしかしたら、新一が守ってくれたのかもしれないね……」
愛梨「うん……」
その様子を少し離れたところから見ていたコナンは(バーロォ……)と心の中で呟いた。
頭に浮かぶのは歩美がゲーム機でコナンの占いをした時に結果として出た「Aの予感」の文字。
そしてそれと同時に思い出されるのは自分を助けるために人工呼吸という形で空気を送り込んでくれた愛梨。
「Aの予感」というのは歩美が言っていた通り、キスのこと。
人工呼吸ではあったけれどあの占いは当たっていたのだ。
(エースに助けられたのは……オレのほうだぜ……)
数週間後。
蘭「え!?お母さんは、お父さんが撃ったわけがわかってたの?」
コナンと愛梨と蘭は英理の事務所へと来ていた。
蘭に問い掛けられた英理は足を組みながら「もちろんよ!!」と言った。
英理「これでも一応、夫婦ですからね!ま、夫が妻の命を守るのは当然のことだけど」
そういう英理に蘭が「じゃあ何で出ていったの?」と問いかけると、英理は一瞬考え込んでからあの時の真相を話した。
英理「あの人、あの日の夜、私の料理をまずいと言って食べなかったのよ!!」
足を撃たれたのにも関わらず英理が料理と作ると小五郎はテーブルをバンッと叩きながら「バカヤロー!!こんなもの作るぐらいならさっさと寝てろォッ!!」と言ったらしい。
あの時の事を思い出すだけで腹が立った英理は窓際へと歩いて行ってしまう。
その後ろ姿をあきれた顔で見る蘭の隣でコナンと愛梨は苦笑した。
(アハ……これじゃ当分、仲直りは無理だね/な……)
(そう言えばお母さんの料理って……)
(チョーまずかったっけ……)
料理の味を思い出したコナンと愛梨は顔を見合わせた。
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ちゅん(プロフ) - 今更のメッセージですが、瞳の中の暗殺者の主人公が記憶を無くしてしまうバージョンも読んでみたいです。お時間ある時で構いませんのでご検討、よろしくお願いします(^^) (2022年4月30日 7時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - 誰か、あの、剱勇気伝説ヤイバしてるかた、小説書いてくださいかた。お願いが します (2020年8月10日 17時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
冷 - ゼロの執行人は中学の頃、特別支援学級で支援の先生がDVDを持ってきて、 それを支援教室に居た人達と見ました! 安室透さん、かっこいいですよね! (2019年5月10日 17時) (レス) id: 4b85232f08 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - コナン大好きです最高ですコナンと新一大好きです (2019年4月18日 15時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
真央 - 結局を何を次に書くんですか? (2018年6月1日 17時) (レス) id: e152c6e0ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2018年5月14日 18時