【SAO】桜の舞姫 -アインクラッド編- (ページ6)

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4話　『ソードスキル』ページ6

貴方side

草原について暫くシュンの指導の基、僕たちは武器を片手に青いイノシシを狩っていった。
僕とリュウは簡単にやりこなしたのだが、ここでは今サクラが一番出来が悪かった。
そんなサクラにつきっきりで指導するシュンを横目に僕とリュウは二人に近づくモンスターたちを狩っていく。結構、楽しい。

『リュウはこういうのは呑み込み早いね』

リュウ「“こういう”のは余計だ、アホ」

『勉強はダメなくせに、バカ』

リュウ「あんなの出来る方がおかしいんだよ、まぬけ」

一瞬の沈黙が辺りを支配する。そして僕たちは顔を突き合わせるようにして叫んだ。

リュウ「『やんのか、コラァァ!!』」

シュン「そこうるせー!!」

シュンからの説教が飛んできた。
どうやら少しはサクラも出来る様になったみたいだ。

今度は四人で狩りをしていくが、今だ動作がぎこちないサクラを庇いながらの狩りは僕たち三人を思ったように動かせないでいた。
う～ん、サクラが慣れれば簡単なんだろうけどな。
そんな考えを頭の隅に置き、僕は目の前のモンスターを狩り続ける。

ファンタジーMMOでは必須と思われていた《魔法》の要素は大胆に排除され、代わりに《剣技(ソードスキル)》という名の言わば必殺技が無限に近い数設定されている。その理由は、己の体、己の剣を実際に動かして戦うというフルダイブ環境を最大限に体感させるためだ。

シュンが言うにはスキルは戦闘用以外にも、鍛冶や革細工、裁縫といった製造系、釣りや料理、音楽などの日常系まで多岐にわたり、プレイヤーは広大なフォールドを冒険するだけでなく、文字通り《生活》することができる。望み努力すれば、自分専用の家を買い、畑を耕し羊を飼って暮らすことだって可能らしい。

サクラ「うん!感覚掴めてきたわ!」

シュン「さっきより動きが軽くなってるもんな」

リュウ「お前…慣れれば早いもんな」

ニコニコと可愛らしい笑みを浮かべるサクラに思わずこちらまで笑顔になる。
ふとその時、今は何時だろうと思い視界の端に表示されている現在時刻を確認する。

『あ』

僕のその一言に三人が振り返る。

『そろそろ一度落ちないと、ご飯できてるんじゃない？』

サクラ「おばさん、作るの早いものね」

シュン「昔ながらの家だしな」

そう僕の家は和風が多いのだ。お母さんは常に着物だし、お父さんも家にいる時は和服が多い。そのため僕も和風の方が好みになってしまったけれど。
家も和風で昔ながらの家だ。