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45話 『二列縦隊行進』 ページ48

貴方side


アスナ「仕方ないじゃない、これはギルドの制服……、ん?どうしたの?」

シュン「いや……」

キリト「ランカ」

『了解』


さっと右手を上げ、シュンはアスナの言葉を遮った。そしてキリト君の呼びかけに頷いて索敵スキャンを行う。

僕の方が索敵スキャンの範囲が広いから、キリト君やシュンの範囲で読みにくいときはよくやる方法である。後方に視線を集中させると、プレイヤーの存在を示す緑色のカーソルがいくつも連続的に点滅する。

犯罪者プレイヤーの集団である可能性はない。連中は確実に自分たちよりレベルの低い獲物を狙うので、最強クラスのプレイヤーが集まる最前線に姿を現すことはごく稀であるし、何より一度でも犯罪行為を犯したプレイヤーは、かなりの長期間カーソルの色が緑からオレンジに変化するからだ。僕が気になったのは集団の人数と並び方だった。

メインメニューからマップを呼び出し、可視モードにして三人にも見えるように設定する。周辺の森を示しているマップには、僕の索敵スキルとの連動によってプレイヤーを示す緑の光点が浮かびあがった。その数、十二。


シュン「十二って……」

アスナ「多い……」

『それに見てみなよ、この並び方』


マップの端近くを、こちらに向かってかなりの速度で近づいてくるその光点の群れは、整然とした二列縦隊で行進していた。危険なダンジョンでならともかく、たいしたモンスターのいないフィールドでここまできっちりした隊形を組むのは珍しい。

借りに、集団を構成する者たちのレベルさえ解ればその正体もある程度推測できるのだが、見ず知らずのプレイヤー同士ではレベルはおろか名前すらもカーソルに表示されない。安易な《PK》ーーープレイヤー殺人(キル)を防ぐためのデフォルト仕様だが、こういう場合は直接目視して、その装備からレベルを推測することが必要となる。


キリト「一応確認したい。そのへんに隠れてやり過ごそう」

アスナ「そうね」


僕たちも緊張した面持ちで頷いた。僕たちは道を外れて土手を這い登り、背丈ほどの高さに密集した灌木の茂みを見つめてその陰にうずくまった。道を見下ろすことのできる絶好の位置だ。


アスナ「『あ……』」


アスナとボクが自分の格好を見下ろす。赤と白の制服と白色の羽織は緑の茂みの中でいかにも目立つ。


『どうしようか。僕着替え持ってない……』

アスナ「わたしも持ってない……」


僕とアスナは顔を見合わせて困った顔をした。

46話 『軍とオレンジプレイヤー』→←44話 『前衛よろしく』



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みさっと - アドバイスです。 もう少し書くのに間を開けてわどうですか? 内容は、凄く好きです! (2018年4月8日 17時) (レス) id: 0bc1c5e779 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2018年2月18日 1時

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