第十二幕 五話 ページ9
咄嗟の事に反応が遅れたがすぐに男から飛び退く。ズキッと痛んだ横腹は深くは斬られていないようだが、切れ目の入った着物の間から血が出ていた。
油断した…。
「あんたを囲む桜や狐火が無ければこっちのもんさっ!!」
私の今の状態が好都合だと気づいた男は次々と私に攻撃を仕掛ける。激しく動いているせいで血が出血多量になるわ視界が霞んでくるわで今の状況は最悪だ。
今の状態じゃ桜を使うのも難しい。コントロールがしにくいしね。
私の使う桜はコントロールが大事なのだ。だから気が散ったり集中力が切れると鋭く刃のように斬れる桜の花びらではなくただの花びらになってしまう。
霞む視界の中必死に攻撃を避けていると足元にあった木の根っこに気づかなかったせいでその場で倒れ込んでしまった。
『くっ…』
「姫も終わりだな」
私がここで負けたら氷麗やリクオが危ないのに…!
血を流し過ぎたせいで体がすごく重い。私の目の前で振り上げられた刀を避けることもできず、悔しさに顔を歪めながらそれを見つめる。
「死ね」
その言葉と共に振り下ろされた刀。
「A!?」
だがそれは突然現れたリクオによって私の頭上で止められた。ハッと目を見開いた私は顔を横に向ける。
『!?、リクオ？』
木々の間に目を見開いてこちらを見つめるリクオの姿が見えて初めて私の体が震えた。
『きちゃ、きちゃダメ』
今なら必死に私に逃げろと言っていた氷麗の気持ちがわかるかもしれない。
リクオには傷ついてほしくない。
ダメだよ…なんで今来たのよ。リクオが来ることなんてないのに。そのまま清継くんたちの元にいて欲しかったのに。なんで、今来たの。
たくさんの後悔の念となんでという気持ちが心の中で混ざり合ったまま私は涙をこぼしながらリクオに向かって手を伸ばして叫んだ。
『逃げてぇーー!!リクオーー!!』
私の叫びでドクンッとリクオの胸が脈打った。それと同時に振り下ろされた刀。
ーギイィィィンッ
凄まじい煙が晴れると男は地面を見た。そこには自分の刀に貫かれているはずの私はいない。男が呆然としていると少し離れた所から声が聞こえた。
「何してやがる…お前…」
男が声のした方に振り返る。
「この女は…奴良組若頭の…ボクの大切な
祢々切丸を抜刀したリクオが私を片手で抱きかかえて鋭い眼差しで男を見ていた。
「わかっててやってんなら、「オレ」はお前を…斬る!!」
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さきっち(プロフ) - 美桜さん» いえいえ！ (2019年11月27日 16時) (
レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - さきっちさん» 分かりました！ありがとうございます！ (2019年11月27日 16時) (レス) id: bc13b73ee8 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - ごめんなさい……。私もここの場面は前に書いたものなのでどうやって出したのか覚えていなくて。いろんな読み方を入力してパソコンで出たのは覚えているんですが…。力になれなくてすみません！ (2019年11月27日 16時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - でないです……。 (2019年11月27日 16時) (レス) id: bc13b73ee8 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 美桜さん» どれかを入れれば出るはずですけど……ダメでしたか？読み方はたくさんあるので… (2019年11月27日 16時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2017年11月1日 22時
