第十九幕 三話 ページ33
「いやぁあああああぁあ!こ、これも妖怪ーー!?」
こんなのが妖怪とか嫌なんだけど。ブルブルと振動する人形を顔を歪めて見ていると鏡の方から「そこに…いるのォ…」と声が聞こえた。
まずいっ…。
最悪の事態に眉を寄せるとその人形からガーガーと音が聞こえたかと思うと清継くんの声が聞こえた。てか腕痛い。
《家長さん…？きこえるかい》
「『!?』」
《おどろいたかなー？清継だ!!ハッハッハッ。実はこの人形清十字団の通信機になってるんだよーん》
この薄気味悪い人形作ったのは清継くんか。なんとなくそうだろうとは思ってたけどまさか当たるとは。さすがだな。
するとカナが必死の形相でその人形を掴んで声を上げた。
「き…清継くん!?助けてーー!!今…妖怪に…鏡の妖怪におそわれてるのーー!!」
《妖怪…!?なんやて…!?》
《今、どこにいるんだい!?》
ゆらがそこにいるのか…!
私はカナの後ろから顔を出してその人形に向かって叫んだ。今そこにリクオがいないならゆらに頼るしかない!
『今学校!!どこかの男子トイレにいるから……!』
《え、A!?》
《なんでAがそこにおるんや!!》
『詳しい説明は後で言うからっ…ゆら、早く!』
《今行くから、待っとき!》
ブツっと切られた。なんかそんなに勢いよく切られるとちょっと傷つく…。
すると後ろから何かの気配がして振り返ると目の前に雲外鏡がいた。驚いて目を見開くとニヤリと笑う雲外鏡。
小さく舌打ちをして雲外鏡がいるのに驚いているカナの手を引いてなるべく雲外鏡から遠くの方へと逃げる。すると鏡の向こうからゆらたちの声が聞こえてカナは鏡へと駆け寄った。
だがゆらたちはすぐにここから出て行ってしまう。
「あ、待ってここよ…なんで見えないのぉーー!?」
「カナちゃん…いたぁ…遊ぼ…7年前の…続き…」
「いや…そんなの…知らない…」
カナに襲い掛かる雲外鏡を後ろからゲシっと蹴りつける。
『ちょっと、カナから離れなさいよ』
雲外鏡が振り返ると同時にその体を蹴り飛ばしてカナを引っ張って抱きしめる。ぎゅっと震えながらしがみついてくるカナはきっと昔のことを思い出しているんだ。
妖怪・雲外鏡。通称＿＿＿紫の鏡。“魔を照らす鏡”
この鏡を見ると…13歳の誕生日に殺される。古代、13という数字は十三の発音が實生(実る)に近いため妖怪の世界では昔から成人の歳と言われている。
その吉日である日にー実った子供を狩る妖怪。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 245人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さきっち(プロフ) - 美桜さん» いえいえ！ (2019年11月27日 16時) (
レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - さきっちさん» 分かりました！ありがとうございます！ (2019年11月27日 16時) (レス) id: bc13b73ee8 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - ごめんなさい……。私もここの場面は前に書いたものなのでどうやって出したのか覚えていなくて。いろんな読み方を入力してパソコンで出たのは覚えているんですが…。力になれなくてすみません！ (2019年11月27日 16時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - でないです……。 (2019年11月27日 16時) (レス) id: bc13b73ee8 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 美桜さん» どれかを入れれば出るはずですけど……ダメでしたか？読み方はたくさんあるので… (2019年11月27日 16時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さきっち
| 作成日時：2017年11月1日 22時
