第十九幕 二話 ページ32
目を見開きながら私を見上げるカナをぎゅっと抱きしめて階段を見上げると、踊り場にある鏡から雲外鏡が出てきた。
「うう…カナちゃん…」
その声にびくりとしたカナが後ろを振り返る。
「鏡の中…鬼ゴッコォ…」
「わあぁあああぁあ」
あいつしつこいな…!
『カナ、行くぞ!立て!』
悲鳴を上げたカナの手を引っ張って立たせると急いであいつから逃げるために廊下を駆け抜けた。
私、今日だけで何回廊下を駆け抜けたのだろうか…と考えていると目の前に理科室が見えてあそこなら少しの間だけでも隠れられる…!と思い、理科室のドアを乱暴に開けて急いで駆け込んだ。
座り込んだ私の足の間にカナを抱き込んで、荒い息をつきながら机に寄りかかった。カナも私にしがみついて荒い息を整えている。
こういうのって普通男女でするもんなんだろうけど、カナが私にしがみついて離れないため抱き込むしかない。決して甘い雰囲気なんてものはないし、今は逃げるのに精一杯でそんなものいらない。
震えているカナの体をぎゅっと抱きしめて辺りを見回す。確かここには鏡なんてものはないはずだ。だからしばらくは雲外鏡には見つからないだろう。
雲外鏡から逃げ切る作戦を考えていると体を震わせながらカナが顔を上げた。
「ねえ、私たち…確か駅に向かってたはずだよね…？なのになんで…ッ」
『いいよ、カナ。今は何も考えなくていいから』
安心させようとカナに声をかけるとガタガタと音がした。ハッとして音がした方を見るとそこにはカナの鞄から飛び出している手鏡。「ひぃ…」と悲鳴を上げたカナが私にぎゅっとしがみ付いた。
口の端を引き攣らせて私はカナの手鏡を見つめる。その手鏡から出ようとしてるのは雲外鏡。
「カナちゃん…この部屋、鏡…ないよ。せまい…」
するとまた頭に響くような音が聞こえたかと思うと一瞬で視界が変わった。
今度はトイレかよ…!しかも男子トイレ。
『カナ、ここから出るよ』
立ち上がって走り出そうとするとカナが自分の鞄に躓いた。その弾みで鞄から出てきた薄気味悪い人形に私は目を見開いた。
なんだ、あれ。気持ち悪いな。ってかあんなやつプレゼントしたの何処のどいつだよ。趣味悪っ。
目を細めてその人形を見つめているとガクガクガクと急に振動しだした。ぎょっと目を見開く私の腕に「ひぃいいいい!?」とカナが抱き着く。抱き着くのはいいが痛い。力強い。
「なんで…ど、どーなってんのよーー」
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さきっち(プロフ) - 美桜さん» いえいえ！ (2019年11月27日 16時) (
レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - さきっちさん» 分かりました！ありがとうございます！ (2019年11月27日 16時) (レス) id: bc13b73ee8 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - ごめんなさい……。私もここの場面は前に書いたものなのでどうやって出したのか覚えていなくて。いろんな読み方を入力してパソコンで出たのは覚えているんですが…。力になれなくてすみません！ (2019年11月27日 16時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - でないです……。 (2019年11月27日 16時) (レス) id: bc13b73ee8 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 美桜さん» どれかを入れれば出るはずですけど……ダメでしたか？読み方はたくさんあるので… (2019年11月27日 16時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2017年11月1日 22時
