第十五幕 二話 ページ16
「私の質問に答えるべきだ、リクオ。ひとつずつ「明確」に答えろ。一つでも納得できねば耳をそぐ。腕を落とす。その気になれば首を落とすことが出来るのはお主だけでは………ない!」
私も出来るけどね。
カッと外が光ってお互いの首筋に刀を押し当てている二人の姿が映し出される。
「朝になればその姿から__また元の姿に戻るのか、リクオ…」
鋭く睨みつける牛鬼を見ながらリクオはフッとその口角を吊り上げた。
「ああ。そうかもな…」
「そして、妖怪であることは忘れてしまうのか」
外ではまだ雷が鳴っている。
いつどちらの首が飛ぶかわからないこの状況下で私は懐から扇を取り出すと口許を隠す。何故かこの二人のこんな姿は真っ直ぐに見れる自信がない。できればあまりこのような状態は見たくなかった。
「もう一度きく。自らの意志では妖怪変化を成せぬのか。今のお前は昼間の記憶はあるか」
「昼」がその姿知らぬなら夜と昼は…別人だというのか。
その問いかけに答えないリクオは静かに目を閉じた。そんな彼の首に牛鬼の刀がぐっと食い込んでいく。プッと数センチ程の傷が出来るとそこから血が流れ出る。
怪訝そうな顔でリクオはその口に笑みを浮かべた。
「…ずいぶんくわしいじゃねぇか、牛鬼…。そんなに、オレが気になるのかい…?」
その瞬間、リクオの首筋に刀が食い込み、血が噴き出した。
『リクオ!!』
「質問に答えろ。このうつけがぁぁあぁあ!」
私の声を掻き消すように叫んだ牛鬼。リクオと牛鬼を中心として何かの幻影のようなものがその場に現れた。蛇太夫にガゴゼ、そして旧鼠の星矢。
それらの妖怪は全てリクオが今までに『倒してきた』
私が驚いて目を見開くのと同様にリクオも驚いたように自分の周りに現れた者達を振り返った。
驚く私達を尻目にゆらゆらとその体を揺らしていたガゴゼがリクオに襲い掛かる。
「言えよぉぉ〜リクオォォ〜。ガキのおめーに殺された…オレによぉ〜。あんときゃあどーだったんだよぉおーー!!」
目の前に迫って来たガゴゼをリクオは祢々切丸で横薙ぎに斬りつける。雲のようにガゴゼの体が割けた。そしてリクオの前に蛇太夫が現れる。
「変化したのは気まぐれか?四年後、オレを殺したときも…。お前は組を継ぐ意志があるのか、それが知りたい」
畳み掛けるようなその物言いに私が手を出そうかと夜桜に手をかけるがそれより先にリクオが動いた。
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さきっち(プロフ) - 美桜さん» いえいえ! (2019年11月27日 16時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - さきっちさん» 分かりました!ありがとうございます! (2019年11月27日 16時) (レス) id: bc13b73ee8 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - ごめんなさい……。私もここの場面は前に書いたものなのでどうやって出したのか覚えていなくて。いろんな読み方を入力してパソコンで出たのは覚えているんですが…。力になれなくてすみません! (2019年11月27日 16時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - でないです……。 (2019年11月27日 16時) (レス) id: bc13b73ee8 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 美桜さん» どれかを入れれば出るはずですけど……ダメでしたか?読み方はたくさんあるので… (2019年11月27日 16時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2017年11月1日 22時