第十五幕 牛鬼と対峙する ページ15
牛鬼。
顔は牛、体が土蜘蛛。
人に化け、だましあやつり、襲う。
現したその姿、人々は語る。
「名よりも 見るは さらに おそろし」
空は最悪の天気。ゴロゴロと雷が鳴るとピシャァァと稲妻が走った。その落雷で照らし出されるのは対峙しているリクオと牛鬼。それを後ろから見守る私の姿だ。
ギシッと床を鳴らしながらリクオは牛鬼の背後へと近づくと静かに祢々切丸を牛鬼の首筋に添える。
「何故こんな短絡的に＿＿オレを殺そうとしたのか」
静かに問いかける。
「“牛の歩み”と言われる程、思慮深いお前が何故。まさか、あのバカみてぇな旧鼠も…お前なのか」
外はまだ雨の嵐だ。雷と風の音だけが室内に響き渡る。
首筋に添えられている刀に怯えもせず牛鬼は目を閉じたまま静かにその口を開いた。
「……牛頭丸を…倒したのですか…」
その言葉はリクオの問い掛けるに答えるべきものではない。
私が不快気に眉を顰めると牛鬼は小馬鹿にしたような笑みを浮かべて首筋にある刀など気にも留めず背後にいるリクオを振り返る。
牛鬼の考えていることが全然わからない。
「「側近」を殺されたか。はたまた「御学友」を殺されたか…それとも」
チラリとリクオの後ろに見える私を見る。
「リクオ様の大事な「姫様」を殺されそうになったか。引き金を引かれて……「その姿」に変わったのですか？」
“リクオ様の大事な「姫様」”という言葉に小さく反応した。リクオの大事なって何。そんなこと言われると今まで必死に隠して来た思いが。奥底にしまったはずの想いがあふれ出てきてしまう。
リクオは牛鬼の言葉にチラリと私を見てから、激昂の宿った瞳で牛鬼を鋭く睨みつける。
その瞳を見た時にわかったこと。リクオは今、怒ってるんだ。そう、私のボロボロになった姿を見たときのように彼は怒っているのだ。
「どの
「……質問してるのはこっちだよ」
私は声を出すことも体を動かすこともできずに二人をただ見つめるだけ。
「その気になればその首、はねることも出来る…」
鋭い目で牛鬼を見下ろすリクオの顔を落雷の光が照らした。
ピシャァァァァッと雷が落ちる音と共に牛鬼の刀がリクオの首筋に当てられる。一瞬の出来事に私もリクオもあ然とした。
ビリビリと剣先が震え、それはリクオの首筋に食い込む。
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さきっち(プロフ) - 美桜さん» いえいえ！ (2019年11月27日 16時) (
レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - さきっちさん» 分かりました！ありがとうございます！ (2019年11月27日 16時) (レス) id: bc13b73ee8 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - ごめんなさい……。私もここの場面は前に書いたものなのでどうやって出したのか覚えていなくて。いろんな読み方を入力してパソコンで出たのは覚えているんですが…。力になれなくてすみません！ (2019年11月27日 16時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - でないです……。 (2019年11月27日 16時) (レス) id: bc13b73ee8 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 美桜さん» どれかを入れれば出るはずですけど……ダメでしたか？読み方はたくさんあるので… (2019年11月27日 16時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2017年11月1日 22時
