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39話 ページ39

目を開けた愛梨にペットボトルを預けてコナンは車を退けようと車体を持ち上げるが子供の姿では到底持ち上がらない。

(くうーッ!無理か……!!)

車体から手を離したコナンは(そうだ!伸縮サスペンダー!!)とその存在を思いついて上着を脱ぐが(えっ!?)と目を見開いた。
コナンの足が車体とタイヤの間に引っ掛かってしまったのだ。

(しまった!!足が引っ掛かった!!)

急いで外そうともがくがなかなか外れることはなくて、コナンは(息が……)とガボッと息を吐き出してしまった。
気を失ったコナンの体がフウと浮かぶと横から細い腕がコナンの体を引き寄せた。
愛梨は必死に足の位置をずらして自分の体がコナンの元に近づくようにもがいたのだ。

(死なないで……新一)

そのままコナンの顔を引き寄せて両頬を包むと自分の中にあった空気を送り込むように唇を重ねた。
だんだんと送り込まれてくる空気にコナンが目を開けると目の前に愛梨の顔があり、(A!!)と目を見開いた。
ありったけの空気を送り込んだ愛梨はコナンが目を開けたのを確認すると彼に向かって微笑んだ。

(お、おい!A!!A!!)

役目は果たしたというように愛梨はそのまま気を失ってしまった。
コナンは愛梨がもがいた時に足首にできてしまった小さな擦り傷に気づくと(くそっ!!)と心の中で舌打ちをして必死に抜かそうと自分の足を引っ張った。
しばらく引っ張っているとガバッとコナンの足が抜けた。

(急がなきゃ!!)

コナンは急いで伸縮サスペンダーをとると、前方の車体の下に引っ掛けて伸縮サスペンダーを引っ張りながら柱を一周して急いで車を持ち上げた。
徐々に持ちあがる車から抜けた愛梨の体が浮き上がり、意識のない彼女はそのまま流されてしまう。
そんな時なかなか上がってこない二人を心配して再び潜ってきた小五郎の手によって助けられた。
急いで水上に上がるとずっと水中にいたコナンは「プハーッ!!」と息を吐いた。

小五郎「おい愛梨!愛梨!!」

蘭「愛梨ちゃん!しっかりして!!」

愛梨「ゴホゴホッ……」

小五郎と蘭の呼びかけに意識を取り戻し水を吐いた愛梨は虚ろな目を小五郎と蘭に向けた。

愛梨「お……じさ、ん……ら、んねえ……ちゃん」

小五郎「コナンに感謝するんだな」

愛梨「……うん」

よかった…と涙を流す蘭に力なく微笑んだ愛梨はその表情のままコナンへと顔を向けた。

(新一……)

(A……)

目が合った二人は知らず知らずのうちに二人で微かに笑みを浮かべた。

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users1717(プロフ) - 次回作楽しみにしてます (2019年6月8日 0時) (レス) id: bf17222534 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - コナン大好きです最高ですコナンと新一大好きです (2019年4月18日 15時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - どうなるあいりんちゃんコナン君続きが楽しみです (2018年5月12日 17時) (レス) id: cb293f2c0a (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああどうするのあいりんちゃんが、コナン蘭おちゃん助けてだせるのかな、続きが楽しみです (2018年5月8日 8時) (レス) id: cb293f2c0a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きが楽しみです!(*´ω`*) (2018年4月29日 23時) (レス) id: 86f93bcfe8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2017年12月23日 23時

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