58話 ページ8
愛梨「……本当に君たちは人に面倒をかけるのが好きね。ここまで急いできて正解だったよ。やっぱり悪い予感は当たるもんだねぇ」
ニヤリと微笑んだ愛梨に灰原は声を張り上げた。
哀「A、そのボールを工藤君に!早くしないと爆弾が……!!」
愛梨「……オーケー」
灰原の声に視線を鋭くさせ、軽くリフティングを始めた愛梨に、
元太「頼むぞ、愛梨ー!!」
光彦「愛梨さーん!!」
歩美「お願い、愛梨ちゃん!!」
コナン「頼む、A……!!」
声をかける元太、光彦、歩美、コナンはボールを高く上げた愛梨を見つめた。
愛梨「───この思い託すんだから、ちゃんと決めなさいよッ!!」
思い切り蹴ったボールはまっすぐに、黒煙を突き抜けてコナンがいるゴール前に飛んできた。
コナン「上等だぜ……おめーら……」
センターサークルに立っていた中岡は、コナンたちの行動にあ然としていた。
中岡「な、何なんだ、コイツら……この状況で、本当に爆弾を止めることができると思ってんのか!?」
中岡は振り返ってバッグの爆弾を見た。
タイマーの数字はもう残り一分を切っている。
すると再び観客席で爆発が起きた。
元太や光彦がいるサポーターズシートでも次々と爆発し、二人はよろめきながらフェンスにつかまった。
歩美も耳をふさいでその場に座り込む。
哀「工藤君、早くっ!時間が……!!」
灰原が叫んだとたん、さらに爆発が起きてグラウンドに爆風が押し寄せた。
黒煙がもうもうと立ち込める中で、中岡はボールの前にしゃがみ込むコナンの姿を見つめた。
中岡「だ、駄目だ……もう1分もねえ……」
コナンはゆっくりと立ち上がると汚れたメガネを外し、ゴールを見据えた。
ゴールの前にはガレキの山が立ちはだかり、黒煙を上げている。
(クロスバーはガレキで直接狙えねえけど……あのシュートなら……!)
コナンはリストバンドで頬に流れた血を拭うと、ボールを軽く押し出して後ろに下がった。
目を軽く閉じ、サッカー教室で教わった遠藤のフリーキックを思い浮かべる。
そんなコナンの姿を見た愛梨が、思い切り叫んだ。
愛梨「新一ィィィィィ!!」
コナンは目を開けて走り出した。
そしてボールを蹴る───!
コナン「行っけぇーーー!!」
ボールは大きく右上へそれたかと思うと、横回転で鋭く左へ曲がり落ちた。
そしてガレキの山すれすれで回り込み、クロスバーの真ん中に命中した。
ゴールポストが大きくゆれ、ゴールラインに落ちたボールがバウンドしてネットに突き刺さる。
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美紀 - コナン大好きです最高ですコナンと新一大好きです (2019年4月18日 15時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
R - R好みで好きです! (2018年10月13日 16時) (レス) id: b2f8c859e0 (このIDを非表示/違反報告)
R - 貴大くんとの絡みがもっと見たいです (2018年10月13日 16時) (レス) id: b2f8c859e0 (このIDを非表示/違反報告)
影月(プロフ) - 説明欄の文字が黄色で見にくいので変えていただけませんか? (2017年12月24日 17時) (レス) id: f3ad1d08de (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - 14番目のターゲット大好きです!楽しみにしてます☆ (2017年12月23日 15時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2017年6月24日 1時