57話 ページ7
元太「よし!いいぞ歩美ーっ!」
光彦「早くコナン君にー!」
元太と光彦が二階席から叫ぶ。
歩美は「うん」とうなずき、しゃがんでボールを置いた。
コナン「歩美ーっ!こっちだー!!」
グラウンドに立ったコナンが大きく手を振る。
そのコナンの姿が見えたとたん、歩美が不安そうな顔をした。
歩美「どうしよう……あんな遠くまで歩美、蹴れないよぉ」
光彦「ガレキさえ越えれば大丈夫です!」
元太「サッカー教室を思い出せ!歩美!」
光彦と元太が歩美を励ます。
歩美は「……うん!」と顔を引き締め、ボールを見つめた。
コナン「おめーら……」
三人を見つめていたコナンは思わず微笑んだ。
歩美「行くよ、コナンくん……」
後ろに下がった歩美はボールを見つめ、助走すると右足を大きく後ろに振り上げてボールを蹴った。
ボールはゴール前のガレキの山に向かって弧を描いて飛んでいく。
しかし、ガレキの山を越えられず、鉄骨に当たって観客席の前に戻っていった。
「あ……!!」ボールを見失ったコナンは呆然と立ち尽くした。
最後の頼みの網が切れてしまった───……!
そのとき、「灰原さん!」と呼ぶ光彦の声がした。
歩美「哀ちゃん、お願い!そのボール、コナン君に回してー!!」
歩美も下に向かって叫んでいる。
コナン「灰原もいるのか!?」
コナンはガレキの山に向かって叫んだ。
灰原はガレキの山を越えた観客席の前に立っていた。
転がってきたボールを止めて足をのせると、不機嫌そうに眉をひそめる。
哀「……まったく。最後まで面倒かけるんだから。───工藤君。みんなの思い、あなたに預けるわよ!受け取りなさい!!」
灰原はつま先でボールをすくい上げ、大きく右足を後ろに振り上げた。
勢いよく蹴られたボールはガレキの山を越えたが、新たに落ちてきたガレキに弾かれ、コナンの元には届かなかった。
「あ……!!」「ボールが……!!」と歩美と光彦の声が聞こえ、コナンは「嘘だろ……」と呆然と立ち尽くした。
だがボールが転がった先に人影があり、その人影は転がってくるボールを足でとめて、右手を腰に当て左手をぶらりと下げて不敵な笑みを浮かべた。
元太「愛梨!!」
光彦「愛梨さん!!」
歩美「愛梨ちゃん!!」
子どもたちの叫びにコナンがハッと顔を上げた。
「A……!」灰原も嬉しそうに声を上げる。
コナンは新たに降ってきたガレキの土煙がだんだんと晴れてきてその先にいる愛梨を見つけ、
コナン「A……!!」
希望が見えたという風に精一杯叫んだ。
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美紀 - コナン大好きです最高ですコナンと新一大好きです (2019年4月18日 15時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
R - R好みで好きです! (2018年10月13日 16時) (レス) id: b2f8c859e0 (このIDを非表示/違反報告)
R - 貴大くんとの絡みがもっと見たいです (2018年10月13日 16時) (レス) id: b2f8c859e0 (このIDを非表示/違反報告)
影月(プロフ) - 説明欄の文字が黄色で見にくいので変えていただけませんか? (2017年12月24日 17時) (レス) id: f3ad1d08de (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - 14番目のターゲット大好きです!楽しみにしてます☆ (2017年12月23日 15時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2017年6月24日 1時