54話 ページ4
一瞬にして屋根が真っ赤に燃えさかり、巨大な鉄骨がコナンたちのいるセンターサークルをめがけて落ちてきた。
コナン「危ない……!!」
コナンはとっさに後ろに下がった。
しかし、凄まじい轟音と共に鉄骨が地面に激突し、コナンの体は吹き飛ばされた。
センターサークルにはバラバラになった鉄骨が散乱して黒煙を上げていた。
地面に叩きつけられたコナンが起き上がろうとした瞬間、左肩に激痛が走った。
「くっ……」痛みに耐えながら体を起こすと、左肩から血が流れてTシャツが真っ赤になっていた。
頭もどこか切れたらしく、額に血が流れ落ちてくる。
コナンはポケットから携帯を取り出し、国立競技場にいる愛梨に電話をかけた。
(頼む……A、出てくれ!)
プップップと短い呼び出し音が鳴ったと思うと、すぐに『留守番電話に接続します』とアナウンスが流れた。
「クソッ!」コナンは携帯を切って顔を上げた。
横たわった鉄骨と土煙の向こうに中岡の姿が見える。
中岡「早く逃げな、小僧。おまえに恨みはねえ。爆弾を止めることができるのは、11人目のストライカーのみ。……だが、ヤツは勝負に敗れ、ここにはいない」
中岡は小五郎を見下すように冷ややかに笑い、電光掲示板を見上げた。
中岡「あと2分で復讐も終わる。これで知史の無念も少しは晴れるだろう」
「ふざけんな!」立ち上がったコナンは左腕の袖を上げ、リストバンドで額の血を拭った。
コナン「あんたは夢破れ逃げたあげく、知史君の死を利用して他人に怒りをぶつけてるだけじゃねえか!」
中岡「何!?」
中岡が眉を上げ、コナンは拳をギュッと握りしめた。
肩から流れる血がリストバンドを赤く染めてゆく。
コナン「勝手に自分の限界を決めつけて、夢を諦めちまう臆病者だ!!」
中岡「このガキ……言わせておけば……」
中岡の唇が怒りでわなわなと震える。
コナンは中岡をにらみつけた。
コナン「ガキはてめえの方だって言ってんだよ!全てを他人のせいにし、自分の都合の悪いことは全部嘘だと否定し、ブチ壊そうとする。とんでもねえわがままボウズだ!わかんねえのか!あんたが否定してんのは知史君が大好きだったサッカーなんだぞ!」
知史の名前を出したとたん、中岡の表情が揺らいだ。
眉間にシワを寄せてギュッと目を閉じる。
コナン「あんた、知史君の思いまでブチ壊そうとしてんだぞ!それがまだわかんねーのかよ!!」
あらん限りの声で叫んだコナンは、荒い呼吸をしながら左肩を押さえた。
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美紀 - コナン大好きです最高ですコナンと新一大好きです (2019年4月18日 15時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
R - R好みで好きです! (2018年10月13日 16時) (レス) id: b2f8c859e0 (このIDを非表示/違反報告)
R - 貴大くんとの絡みがもっと見たいです (2018年10月13日 16時) (レス) id: b2f8c859e0 (このIDを非表示/違反報告)
影月(プロフ) - 説明欄の文字が黄色で見にくいので変えていただけませんか? (2017年12月24日 17時) (レス) id: f3ad1d08de (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - 14番目のターゲット大好きです!楽しみにしてます☆ (2017年12月23日 15時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2017年6月24日 1時