51話 ページ1
中岡「そしてゴールを決めたら、今度はオレンジジュースで祝杯をあげようと約束したんだ」
試合当日。
母親の斜め後ろで中岡が見守る中、知史は懸命に走り、味方がシュートしてゴールキーパーが弾いたこぼれ球をシュートした。
ボールはクロスバーの中央の下端に当たり、そのままネットに飛びこんだ。
あ然としている知史にチームメイトが集まってきて、知史の初ゴールを祝福した。
知史はカメラを構えた母親に笑顔で手を振り、中岡を見た。
中岡も右手の親指を立て、笑顔を返した。
中岡「約束どおり知史は試合でゴールを決めて……あれを見て、オレはもう一度やり直してみようと思ったんだ。ところが───……」
中岡は顔をゆがめ、拳を強く握った。
その拳がわなわなと震えている。
コナン「……それで、毛利のおじさんとサポーターの人たちに復讐しようと思ったんだね?」
中岡「ああ……」
コナン「爆弾はどうやって手に入れたの?」
中岡「南米で知り合ったヤツの中に、その手のプロがいたんだ……」
コナン「その爆弾を九つのスタジアムに仕掛けたんだね。そして、10番目のスタジアムは国立じゃなく、この東都スタジアムだった……」
コナンはスタジアムの中を見回し、再び中岡を見つめた。
コナン「国立に仕掛けたのは、ダミーのセンサーでしょ?国立を外したのは、中岡さんにとって聖地だから。代わりに中岡さんがJリーガーとしてピッチに立ちたいと心から願ったこの東都スタジアムに爆弾を仕掛け、5時50分に爆発するようセットしたんだ。小五郎のおじさんが暗号を解いてここに来たら、一緒に死ぬつもりでね」
コナンの言葉に、中岡は肯定も否定もすることなく、ただ黙って立っていた。
コナン「この5時50分って、雪の国立で杯戸高校が日本一になった時刻だよね。だから警告文には『5時50分』って書かないで『試合が終了した時刻に』って書いたんだ」
中岡「ああ、そうだ……」
中岡はフッと自虐的な笑みを浮かべ、顔を上げた。
中岡「オレにとってサッカーの試合は、あの国立での決勝戦が最後だったから。オレの最後はここかなってな」
コナン「中岡さん……九十分ピッチに立ち続けられない人間にサッカーをやる資格はない───そう言ってスピリッツとの契約を断ったそうだけど、それって間違ってるよ」
「何?」中岡が眉をしかめ、コナンをにらみつける。
コナン「体が弱くて少ししか試合に出られなかった知史君に、サッカーをやる資格はなかったの?」
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美紀 - コナン大好きです最高ですコナンと新一大好きです (2019年4月18日 15時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
R - R好みで好きです! (2018年10月13日 16時) (レス) id: b2f8c859e0 (このIDを非表示/違反報告)
R - 貴大くんとの絡みがもっと見たいです (2018年10月13日 16時) (レス) id: b2f8c859e0 (このIDを非表示/違反報告)
影月(プロフ) - 説明欄の文字が黄色で見にくいので変えていただけませんか? (2017年12月24日 17時) (レス) id: f3ad1d08de (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - 14番目のターゲット大好きです!楽しみにしてます☆ (2017年12月23日 15時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2017年6月24日 1時