好きです鈴木くん!! ～もう一つの恋物語～ Six (ページ46)

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278話　オレも愛してるページ46

「「ふぁおおおあ゛あ゛あ゛。
ばび(;O;)(爆)(^o^)('Д')〆Ωあfkcry！？」」

もはや何を言っているのかわからない。
ぶわっと涙を流し大泣きしだした双子に驚きつつタッちんが声をかける。
遠くの方では爽歌とAも困惑したようにこっちを見ていた。

「ひ…輝！？翔！？」

「わ、わりィ」

「マジ信じらんなくて……」

涙を拭いた双子の胸は今だにドキン、ドキンと早鐘をうっている。

ーーA、A。
本当に、夢じゃないのか…？

心の中で問いかけた輝は「へへ…っ」と笑うと翔を横目で見た。

「こりゃますます負けるわけにはいかねぇな…。な、翔」

「ああ、そうだな」

そんな会話をした後二人がこっちを見ているのを確認して双子は右手首につけているリストバンドを見せる。
それを見た二人は目を見開いて顔を見合わせた。

ーーあれは…。

『昔、私たちがプレゼントしたリストバンド…？』

そしてそのまま双子はリストバンドを掲げたままそれに口付けた。
ドキン…と胸が鳴る。
あの仕草は昔、プレゼントしたときにもしていたはずだ。
思わず顔を赤くして見つめる二人を双子は目を細めて確認すると、フッと笑って見上げた。
その顔は、

＿＿『オレも愛してる』

思わず、二人は顔を見合わせて涙を流した。

「おーし充電バッチリ！！」

「ぜってー逆転すっぞ！！」

輝、翔が言うと、周りで見ていたナッキーたちも微笑んでコートに戻っていった。

《タイムアウト終了。
試合開始です》

再度、翔からパスをもらった輝はゴールに向かって一直線にドリブルをし、進んでいく。

ーー待っててくれA。

鋭い目でゴールを見据えて狙いを定めた時、ズキンとまた手首が痛んだ。
思わず「…っ」と顔を歪めたが、輝はギリッと奥歯をかむと、

「右手がダメなら…左手で決めてやる！！」

大きくジャンプしてゴールにガンッとダンクして入れた。
ナッキーが「すげー！！」と声を上げると、会場もワッと盛り上がった。

《なんと鈴木輝選手、左手でダンク！！》

思わず目を見張ったAは涙をこぼしながら翔とハイタッチを交わしている輝を見つめる。

ーー約束どおりこの試合、勝ってオマエを抱きしめる。

輝が決意を固めると、翔と連携し、交互にゴールを決めていった。
そしてザッとゴールネットがゆれる。

《またしても左手で決めたー！！
鈴木輝、鈴木翔、3連続ゴール！！
逆転！！
星南高校ついに逆転です》

アナウンスもすごい盛り上がりで会場の熱も上がってきた。