258話 無意識のイチャつき ページ26
「木之本?
オマエ、泣いてるのか…?」
輝に心配そうに声をかけられてハッとしたAはいつものサキに戻りツンとした態度をとるため、腕を組んだ。
『な、何言ってるのよ。
私が泣くわけないでしょッ』
ーーいけない。
今の私は「木之本A」!!
そんなAの態度に輝は不機嫌になることもなく、軽く頭をかきながら「ははッ」と笑う。
「そーだな。
悪かったな、変なこと言って」
ーーうううっ。
こっちこそ態度大きくてごめんッ。
ズキズキと良心が痛む。
Aは少し考えた後、グイッと輝の腕を引っ張り、
『今日は夜までオフなの。
つきあってくれる?』
「え…」
驚きに目を見開く輝に笑いかけた。
ーーごめんね。
今日だけ、わがままを許してください。
これが、最後のデートだから…。
『わー美味しい!』
「つきあってほしいとこってここか?」
『ええ。
1回ここのパフェ、食べてみたかったの』
窓際のカウンターで輝と並んでパフェを食べる。
Aはパフェを食べながらやや沈んだ表情で言葉を続けた。
『いつも仕事で学校帰りにこーいうとこ寄ったりできないから。
ちょっと憧れだったんだ』
輝は暗い表情のAの表情をじっと見つめた。
「木之本…?」
ーーなんか今日は…。
じっと自分を見つめる視線に気づいたAは一回パフェに目を落としてクスッと軽く笑うと、スプーンを置いてから、
『味見してみる?
クリームがいっぱいでおいしいわよ』
「あ、いや。
そーじゃなくて…」
輝が口を開いたと同時にぱくっと輝の口にスプーンを入れた。
ふわっとした甘めの感触が輝の口の中に広がる。
『ね。
このへんがホワワってなるでしょ』
輝を見上げながら自分の頬をぷにっと押したAに、輝は目を見開いた。
そして間接キスをしたことにお互いが気づくと全身を真っ赤にしてAは顔をそらし、輝は口元を押さえて上を見上げた。
『お、おいしいでしょ…?』
(わぁぁぁ。
バカ。私、なんて大胆なことを…っ//)
「う、うん…」
(ちょwwwおまwww
ぷにって!!「ホワワ」って!!
萌えすぎてほっぺたどころか全身がホワワってなるわ!!)
これでもお互いなんとか平静を装うとしているのだ。
パフェを食べ終えた二人は電車に乗った。
ガタンと揺れる中、ドア付近に立っていた輝が「次はどこに行くんだ?」と手すり近くに立っているAに声をかける。
『横浜に買い物。
ランドマーク行ってみたくて』
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星花 Ruru(プロフ) - 一番最初から見てみたんですけどとても面白いです!!これからも頑張ってください!応援してます!!(っ*’ω`) (2017年3月29日 21時) (レス) id: 68eb365810 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2017年3月26日 23時