好きです鈴木くん!! ～もう一つの恋物語～ Six (ページ22)

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秘密の鈴木くん!!６ページ22

「オレのかわりに、あとは頼んだ」

忍は輝と翔の手を取ると、ぎゅっと握った。

「信じてるよ。
必ずオレたちは勝てるって。
そして…」

ーー必ず温泉で女子の浴衣姿を拝めるって…。

忍はがくっと眠りに落ち、「「忍ーーー！！」」と涙を流しながら双子が叫んだ。
周りに集まっていた男子たちも「うおぉぉ」と泣き叫ぶ。

「漢だぜ、忍！！」

「そこまでして親友(とも)を！！」

「そして女子の浴衣への熱い思いを！！」

男子号泣！！
一方で女子たちは、

「『……えーと…』」

女子若干ヒキぎみ。

「「くっ…」」

唇をかむと、輝は地面に落ちていたボールを拾い上げて、翔と共に歩き出す。

「見てろ忍。
オマエの遺志はオレたちが引きつぐ…！！」

「いや…死んでねーだろ」

輝がつぶやくと、八王子がおいおいと手を振りながら突っ込んだ。
それさえも無視して双子は三年生たちの前まで歩き、翔が口を開く。

「くらえ。
オレたちの友情の証」

「「W鈴木鎮魂歌(レクイエム)！！」」

思い切り二人で投げて、ドゴドゴドゴと次々にボールを当てた。
双子は荒い息をつきながらも倒れていく三年生たちを見送る。

「す、すげえ。
全員一度に倒したー！！」

「なんかいきなり必殺技が登場したぞ。
しかもダサかっこいい名前付きだーー！！」

輝は英語の成績2だが、翔は英語の成績4である。
周りが騒ぎ立てる中、アナウンスの声が響き渡り、

《2年2組優勝です！！》

「「『すごーい！』」」

爽歌、ちひろ、Aは手を取り合って声を上げた。
そんな声をものともせず、双子は地面に寝かせていた忍に駆け寄り、抱き起した。
翔が眠っている忍に声をかける。

「忍、大丈夫か！？
オマエのおかげで勝ったぞ！！」

その声で目を覚ました忍が「ん…」と声をあげる。
すると輝は嬉しそうに微笑みながら「よかった、しの…」と近寄ろうとすると、彼は双子の顔をグッと手で抑え込んだ。

「てめえ。
なーに馴馴しくオレ様に触ってんだ？」

「し…忍？」

「なんか様子が…」

前と違う様子にみんなが戸惑うと、忍はもう一回足で双子の顔を押しつぶした。

「近づくな、気色悪ィッ」

「なんだよ、その態度ッ」

「オレたちは熱い友情で結ばれた仲だろ！！」

「ハア！？なんの話だ！？
誰がてめーらと友達だ。
イミフなこと言ってんじゃねー！！」

それを見ていたAが忍を指差し、

『もしかしてさ…さっきのショックで元に戻った？』

とちひろと爽歌に問いかけた。