好きです鈴木くん!! ～もう一つの恋物語～ Six (ページ21)

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秘密の鈴木くん!!５ページ21

「さすがオレたちの親友！！」

「決勝まで勝ち残れたのはオマエのおかげだぜ」

「オレは何もしてないよ。
2人のおかげだ」

そう言って互いを誉めあう三人を遠くから見ていたクラスメートたち。
そんな中、ちひろとAが若干引きながら声を出した。

「『き…気持ち悪い』」

「ちひろちゃん、Aちゃん。
そんな本当のことは…」

苦笑いしながら爽歌は止めるが、彼女も言ってることはひどい。
だが爽歌は軽く微笑みながら楽しそうに笑い合っている三人を見た。

「でも、3人ともすごく楽しそうです」

裏庭でクラス全員が集合すると女子の衣装を見て男子たちが「わーー！」と声を上げた。

「なんだよ、女子そのカッコ！！」

ちひろとAがおそろいのハーフアップで顔を見合わせ大成功と笑い合う。

「すごいでしょ♡
応援用に女子全員AKBっぽい衣装で揃えてみたの♪」

『決勝戦、歌って踊って応援するからがんばってね！！』

そして決勝戦。
三つあるコートの真ん中で試合を始める。

《男子ドッジボール決勝戦。
2年2組VS3年1組の試合スタートです》

放送の声が響くと3年生は勢いよくボールを投げつける。

《開始早々激しいボールの応酬が続きます！！》

「く…さすが3年生！！」

「手強いぜ…っ」

双子がボールを避けながらつぶやくと、応戦席の方から「男子がんばってーー」と聞こえ、みんながそこへ目を向ける。
すると、女子たちがポンポンを手首につけながら踊っていた。
そこで目につくのはやはり、爽歌とちひろとAで。
三人は時折目を合わせながら楽しそうに踊っていた。
その姿を見た男子たちは口から血を流し顔を真っ赤にして女子たちをガン見していた。

ーーすみません。
全然試合に集中できません！！

そんな男子たちを差し置いて一人の三年生が輝の前に現れた。

「くらえ！！」

「輝！！」

翔の声にとっさに気づいた輝はそのまま距離をとる。

ーーしまった。

(Aにみとれてる場合じゃなかった…)

そんなことを考えているとガッとボールがあたる音がした。
だが、当たったのは輝ではなく、それを庇った忍だった。
そのまま忍は地面へと倒れ双子は急いで駆け寄って忍を抱き起した。

《おっと2年の鈴木忍。
顔面に思いきりボールをくらって倒れたーーー！！》

「「忍、大丈夫か！？」」

ーーオレをかばって。

「どうして…」

輝が問いかけると、忍は息を切らしながら「輝、君が無事でよかった……」と微笑んだ。
「忍…！！」と涙がたまる。