36話 ページ36
怜子「まずは受話器を外さないと……」
愛梨「それはまかせて。それより問題は、受話器が外れてしばらくすると電話がかけられなくなってしまうこと。───つまり、チャレンジは一回だけ。それに失敗すると、誰かに見つけてもらうのを待つしかなくなる」
愛梨が険しい表情で言うと、怜子は不敵な笑みを浮かべた。
怜子「そんなの待ってられない。やるっきゃないでしょ」
コナン「そうと決まれば、おお急ぎでリハーサルしなきゃ!」
怜子「じゃあ高い周波数の音は私が出すから、君たちのどっちかは低い方を」
愛梨「コナンね」
コナン「わぁったよ……」
(即答かよ……)
怜子「まずは、一の低い方の音」
怜子は軽く目を閉じ、プッシュホンの『一』の音を思い浮かべた。
そして、「あーー」と六百九十七ヘルツの音を出した。
コナンも合わせて「あーー」と声を出す。
愛梨「高くね?」
愛梨が指摘すると、怜子はもう一度「あーー」と音を出した。
その音を聴いて、コナンも合わせる。
愛梨「今度は低すぎ!」
コナン「わかってるよ!」
怜子「そっか。自分の声が外れてるのはわかるのよね」
怜子が納得していると、コナンは一人で「あーー」と練習しはじめた。
怜子「にしても、絶対音感持ってるのに音痴って珍しいんじゃない?聞く能力と声を出す能力は別なのかしら」
愛梨「仕方ないって。それがコナンだし」
コナン「ちょっと黙ってて!」
怜子,愛梨「あ、ごめん」
コナンはもう一度「あーー」と声を出した。
愛梨「その音だ!」
コナン「いや、まだ数ヘルツ外れてる」
コナンは目を閉じて集中すると、再び「あーー」と声を出した。
そして「この音だ」と自らうなずく。
その様子を見て、怜子は眉をひそめた。
怜子「ホント、いい耳してるのに……」
コナン「怜子さん、一の高い方の音!」
怜子「私はプロよ。自分が出す声はリハーサルの必要ない」
コナン「じゃあ、次はゼロの低い方の音……」
とコナンが言いかけたとき、遠くの方でドゴォォンと爆発音がした。
怜子「何、今の……」
愛梨「爆発だよ!何かが爆発───」
すると、また爆発音がした。
上流の方で噴煙が上がっているのが見える……!
怜子「堂本ホールの方よ!」
コナン,愛梨「まさか……!」
二人は薄紫色の空に立ち上る黒煙をがく然と見つめた。
ボートの上で三度目の爆発音を聞いた怜子は、「また……」と青ざめた。
隣の二人も険しい表情で音楽の森の方を見つめる。
コナン「早く次!ゼロの音を!」
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AYANE(プロフ) - 質問なんですが?夢主ちゃんは、何歳ですか? (2021年4月22日 21時) (レス) id: 91263c781e (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - Ms.分情 十雅さん» プレイリストに最初の話がありますからそこに設定が載っていますよ! (2019年5月27日 16時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
Ms.分情 十雅 - 私はコナン大好きです。凄く面白かったです! 夢主ちゃんの設定が分からないので教えて頂ければ幸いです。 (2019年5月27日 14時) (レス) id: 4167ffb2cd (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - コナン大好きです最高ですコナンと新一大好きです (2019年4月18日 15時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
茉歩(プロフ) - 初めの黄色い文字が見づらいかもしれないです。すいません!でも、とても面白いと思います!更新頑張ってください^ ^ (2017年6月24日 8時) (レス) id: 9fa3df96cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2017年1月8日 0時