15話 ページ15
園子「でも、いったい誰が……」
そのとき、診療室のドアが開いて、蘭と元太が出てきた。
歩美「元太君!」
光彦「大丈夫ですか!?」
歩美と光彦が駆け寄ると、
元太「……だ、大丈夫じゃない……」
元太はしょんぼりした顔で答えたが、その声はひどくかすれてほとんど出ていなかった。
園子が「お医者さん、何だって?」と蘭にたずねる。
蘭「うん。のどにかなりの炎症があるけど、4、5日で治るだろうって」
光彦「治るんですね!?」
歩美「よかった〜!」
光彦と歩美がホッとしていると、灰原が「でも」と愛梨とコナンにささやいた。
哀「逆に言えば、4日間は満足に声が出せないってことね」
愛梨「うん……堂本ホールの公演まであと3日。もし怜子さんが飲んでいたら、出演できなかったかもしれない」
二人は水筒を握りしめている怜子を見つめる。
そして蘭に目を向ける。
コナン「目暮警部に話して、そのボトルの中身を調べてもらおうよ」
蘭「じゃあ、私が届けるわ。あ、でもその前に……」
蘭が元太を見ると、光彦と歩美がニッコリ笑った。
光彦「元太君なら、ボクたちが送ります!」
園子も「私も」と手を上げる。
すると、
怜子「私も行くわ」
怜子が元太を見た。
怜子「この子の親に会って言っておかないと。人の物を勝手に飲むなんて、どんな教育をしてるのかってね!」
しょぼんと目を伏せる元太の横で、コナンと愛梨と灰原は怜子が一瞬悲しげな表情をしたのを見逃さなかった───。
病院を出る頃には日も暮れはじめ、コナンたちは大きな夕日を背中に受けながら、園子を先頭に元太を囲むように住宅街の道を歩いた。
声が出なくなった元太はすっかり落ち込み、その足取りも鈍い。
歩美「元気出して、元太君」
光彦「4日間なんてあっという間ですよ」
歩美と光彦が励ますと、元太はジェスチャーを始めた。
自分を指差し、背中を丸めてあごの前で拳を作ると、反対の手で親指と人差し指を近づけ、それをの見込む真似をする。
歩美「ボクも……おじいさんの……丸薬が……欲しい……?」
歩美が元太のジェスチャーを言い当てると、その後ろを歩いていた灰原がコナンと愛梨を見た。
哀「ホントに博士のクイズみたいになっちゃったわね」
そのとき、後方から大型ダンプカーが走ってきて、コナンと愛梨が振り返った。
一番後ろを歩いていた怜子も気づき、「みんな、脇へよけて」と声をかける。
すると、突然、大型ダンプカーがギアチェンジしてスピードを上げた。
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AYANE(プロフ) - 質問なんですが?夢主ちゃんは、何歳ですか? (2021年4月22日 21時) (レス) id: 91263c781e (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - Ms.分情 十雅さん» プレイリストに最初の話がありますからそこに設定が載っていますよ! (2019年5月27日 16時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
Ms.分情 十雅 - 私はコナン大好きです。凄く面白かったです! 夢主ちゃんの設定が分からないので教えて頂ければ幸いです。 (2019年5月27日 14時) (レス) id: 4167ffb2cd (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - コナン大好きです最高ですコナンと新一大好きです (2019年4月18日 15時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
茉歩(プロフ) - 初めの黄色い文字が見づらいかもしれないです。すいません!でも、とても面白いと思います!更新頑張ってください^ ^ (2017年6月24日 8時) (レス) id: 9fa3df96cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2017年1月8日 0時