検索窓
今日:14 hit、昨日:28 hit、合計:107,171 hit

47話 ページ47

飛行船での出来事を思い出して快斗は苦笑いをした。
愛梨はあの後もずっと自分の顔を見ては顔を赤らめる蘭を不思議に思っていたのだ。
しかもずっと「Aのことなんか……」とブツブツ言っていることにコナンと首を傾げていたがよく考えれば、あの時の飛行船で蘭とブラックが抱き合っていたときからだ。
なぜ抱き合っていたのかは知らないが、そのときにブラックが何かしたのは明白だった。

(快斗も、快斗だよ。何で隣にいたのに止めないかなぁ〜!)

快斗『オレのせいじゃねえぞ!やり出したのは梨沙からでッ!』

電話の向こうから焦った声が聞こえてきた直後、ドアが開く音がして「快斗〜」となんとも呑気な声が聞こえた。

快斗『梨沙……!』

ピクリと愛梨の眉が動いた。

梨沙『誰と電話してんだ?』

快斗『Aだよ』

梨沙『ゲッ』

梨沙は自分の姉の名前が出たとたんに顔を歪めた。
その声が聞こえていた愛梨は「快斗」と呼びかけ、

愛梨「今すぐ梨沙に変われ」

怖いぐらいの低い声で言った。
快斗は近くにいるわけでもないAの顔が容易に想像できて、首をブンブンと縦に振って梨沙に電話を渡した。
携帯を渡してくる快斗の顔は真っ青だ。
そんな快斗の顔を見て梨沙は顔を引きつらせると恐る恐る携帯電話を受け取って「……はい」と小さい声で返答した。

愛梨「私が何言いたいかわかるよね」

(どうしよう。普通は疑問で質問するはずなのに、命令で言われたぜ。はてなも何もついてないし)

愛梨「わかるよね……」

梨沙『Σはい!』

急いで返事を返すと電話の向こうでため息をつかれた気がした。

(あれ、ため息?ひどくね?)

梨沙が苦笑いをする。
愛梨が頭を軽く振って、無言で続きを託した。

梨沙『えーっと、あの時はその〜。何て言うか、テヘ……』

愛梨「早く言え」

梨沙『Σすいません!蘭にキスしようとしてました!』

早口でそう言った梨沙に快斗が「あ〜あ」と首を振ってため息をついた。
愛梨は思わず「はあ!?」と声を上げた。

愛梨「ちょっと待ってよ!あんた、確かAと思われてたんだよね!?」

梨沙『お、おう……いや〜、Aならそれぐらいするかなーと思ってさあ』

快斗,愛梨『「しねーよ」』

意味のわからない言い訳をする梨沙に快斗と愛梨が口を揃えて突っ込む。
すると、向こうから歩美、光彦、元太が駆けてくるのが見えて愛梨は「ゲッ」と顔をゆがめた。
梨沙のときと同じ反応である。
さすが双子。
昔から一緒にいただけはあるのだ。

48話→←46話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
148人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

セレーナ - 37話の下から二行目のセリフ小五郎じゃなくて次郎吉だと思うわ (2018年11月26日 20時) (レス) id: 40108fa981 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - ふたりともすごいねはたして犯人は捕まえるのかな次回どうなる楽しみです (2017年1月6日 22時) (レス) id: ebf61ebbdb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さきっち | 作成日時:2017年1月2日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。