41話 ページ41
藤岡「おまえらをおびき出すためだ」
愛梨「何!?」
藤岡「オレたちがなぜハイジャックの目的を金でなく、仏像にしたのかわかるか?今の情報社会では、金の流れはすぐに足がついてしまう。その点、プライスレスの仏像の方が安全と考えたからだ。日本の仏像は海外でも人気があってな。すでに買い手もついていた。その儲けをフイにした礼をさせてもらうぞ」
藤岡はそう言うと隠し持っていた拳銃を構え、愛梨に向けて撃った。
愛梨「ウッ!」
コナン「愛梨ッ!」
銃弾が頭をかすめ、愛梨はその場に膝をついた。
その額から一筋の地が流れ落ちる。
コナンは愛梨に近寄ると、肩をつかみ自分に引き寄せると愛梨の身体を隠すように抱きしめる。
藤岡「まだ時間はたっぷりある。ゆっくり楽しもうぜ」
藤岡はニヤリと微笑み、再び拳銃を撃った。
藤岡の二発目が肩をかすめ、コナンは「クワッ!」と大きく身を翻して愛梨を抱きしめたまま屋根に倒れた。
愛梨「コナン!」
起き上がろうと手をついた瞬間───左肩に激痛が走り、顔をゆがめる。
左肩から血が流れ、コナンは右手で押さえた。
愛梨は目の前から流れているコナンの血を見て、顔をしかめると腕の中から抜け出し、今度は自分がコナンを守るように抱きしめる。
額から流れ出る血を袖口で拭うがそれでも止まらない血に舌打ちをした。
藤岡「最後にいいことを教えてやろう」
藤岡はそう言うと、余裕の表情で空になった弾倉を換装した。
藤岡の背後にはライトアップされた赤石海峡大橋が見えてきた。
藤岡「オレたちはあの橋の近くにとめてあるクルーザーでオサラバする。その直後、飛行船が爆破する。人質たちがいるキャビンがな」
コナン,愛梨「何!?」
藤岡「燃料タンクにしかけた爆弾はおまえらが外したんだろうが……キャビンにはもう2つ、爆弾が残ってたってわけだ」
コナン「そうか。だから……!」
二人は爆弾が二つしか仕掛け直されてなかった理由がようやくわかった。
愛梨「クソッ!」
藤岡「だが、その前に……」
藤岡が再び拳銃を撃ち、銃弾が二人の足元をかすめた。
藤岡「おまえらにはここで、海のもくずと消えてもらおう」
ニヤリと微笑む藤岡の背後に、赤石海峡大橋がどんどん迫ってくる。
コナンは自分の身体を抱きしめる愛梨の手を握りながら、周囲を見回した。
(クソッ。どうする!?何か……何かこの状況を一発で逆転できる方法はないのか!?)
焦ったコナンは、ふと手元を見た。
目の前にハッチの取っ手がある。
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セレーナ - 37話の下から二行目のセリフ小五郎じゃなくて次郎吉だと思うわ (2018年11月26日 20時) (レス) id: 40108fa981 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - ふたりともすごいねはたして犯人は捕まえるのかな次回どうなる楽しみです (2017年1月6日 22時) (レス) id: ebf61ebbdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2017年1月2日 1時