検索窓
今日:8 hit、昨日:28 hit、合計:107,165 hit

39話 ページ39

コナン「最初の発疹とは別に手のひらとか腕の裏、それに太ももの裏とかにも発疹が出てるでしょ?」

蘭「え、ウソ?」

蘭が慌てて手のひらや太ももを見る。

コナン「きっと犯人たちは、この部屋の至るところにうるしを吹き付けたんだと思うよ。壁とかソファとか、ドアの取っ手とか……」

コナンに言われて、蘭と水川が部屋を見回した。

愛梨「だから蘭姉ちゃんには、ここでタバコを吸ってうるしにかぶれた藤岡さんにつかまれた腕には発疹が出たけど、それ以外のところには、この部屋で何かに触れたところにしか発疹が出てない───」

と言いかけて、二人はハッとした。

(待てよ。じゃあ何であの人…………まさか!)

小五郎「おい、どうした?」

小五郎がたずねるやいなや、二人は顔を見合わせて喫煙室を飛び出していった。





Bデッキにある診察室に飛び込んだ二人が、診察室とベッドを仕切るカーテンを勢いよく開けると───右側のベッドには両手両足を縛られ、口に猿ぐつわをされたポニーテールのウェイトレスがもがいていた。
左側のベッドには誰もいない……!

(しまった!)

二人はウェイトレスの両手両足のヒモを切り、猿ぐつわを外すと、診察室を飛び出した。





飛行船は大阪市の上空をゆっくりと飛んでいた。
高速道路にも一般道路にも車は一台も走っておらず、人の姿も見当たらない。
街のネオンや信号機が寂しげに光り輝いている。
飛行船の屋根に立っていた藤岡は、眼下に広がる大阪の景色を満足げに眺めていた。

「「待てよ」」

背後から声がしたが、藤岡は大して驚きもせずフッと微笑んだ。

「部下たちを置いて一人で逃げようなんて、卑怯だと思わないの?」

「ハイジャックグループのボスの───藤岡隆道さん」

藤岡がゆっくりと振り返る。
屋根の上に立っていたのは───コナンと愛梨だった。

藤岡「小僧、小娘……よくオレの正体を見抜いたな」

コナン「いや、あんたが最初の感染者を装ったことで、すっかりだまされちまったよ。恐らく離陸してすぐ、あのウェイトレスに扮した女の部下が喫煙室にうるしの液をまき、アンプルを置いたんだろう。もちろん、あんたの指示でさ」

コナンはマスクと手袋をした女の部下がスプレーに入れたうるしの液をソファやドアの取っ手に吹き付ける姿を想像した。
おそらくそのスプレーは窓から投げ捨てたに違いない。

愛梨「その後、あんたは喫煙室に入って、わざとうるしにかぶれた。細菌に感染したように、私たちに信じ込ませるために」

40話→←38話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
148人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

セレーナ - 37話の下から二行目のセリフ小五郎じゃなくて次郎吉だと思うわ (2018年11月26日 20時) (レス) id: 40108fa981 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - ふたりともすごいねはたして犯人は捕まえるのかな次回どうなる楽しみです (2017年1月6日 22時) (レス) id: ebf61ebbdb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さきっち | 作成日時:2017年1月2日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。