11話 ページ11
蘭「この絆創膏……」
ウェイトレス「ああ……さっき、ちょっと火傷してしまって」
蘭「嘘!」
蘭はウェイトレスをキッとにらんだ。
ウェイトレス「嘘じゃないですよ」
蘭「じゃあよく見てみなさいよ、この絆創膏」
ウェイトレスは蘭に腕をつかまれたまま、左肘の絆創膏を見た。
絆創膏には園子が書いた『A♡LOVE』の文字があった。
飛行船のタラップで、蘭がメガネの作業員にあげた絆創膏だ。
蘭「何で別の人にあげた絆創膏をあなたがつけてるの？」
蘭はハッと目を見開き、ウェイトレスの顔をじっと見つめた。
蘭「あなた、ブラックね!」
ウェイトレスがギクリとすると、蘭はつかんでいたウェイトレスの左腕を背中にねじり上げた。
ウェイトレス「いたたたた……!」
ウェイトレスに扮したブラックが思わず声を上げる。
(さすが蘭、感が鋭いな……ウェイトレスと言い張るには無理あるし、かと言って強行突破は……)
ブラックは左肩を押さえながらチラリと蘭を見た。
無理に振り払おうとすれば、蘭の拳や蹴りが飛んでくるのは確実で、ブラックは薄笑いを浮かべた。
蘭「何がおかしいの!?さっさと白状を───」
ブラック「白状したらどうする？」
蘭「え？」
ブラック「私を捕まえて、中森警部に差し出すの？」
開き直ったブラックに、蘭はフッ笑った。
蘭「それも面白いわね」
ブラック「けど、それをすると困るのは君だよ」
(悪い、A。ちょっと借りるぜ)
蘭「え……？」
ブラック「まだわからないの？私が一体誰なのか……」
ブラックはそう言うと後ろを向き、ピリッとマスクをはがした。
そして前髪をすばやく直して振り返る。
蘭「あ……!」
ブラックの素顔を見た蘭は思わず声を上げた。
ブラック「そう。怪盗ブラックの正体は……私だったんだよ」
ニヤリと微笑みながら蘭を見つめるその顔は───まさしくAだった。
愛梨「へーッ、クション!」
Aデッキで歩美、元太、光彦、コナンとトランプをしていた愛梨はクシャミをして持っていたトランプを吹き飛ばした。
歩美「大丈夫？愛梨ちゃん、また風邪？」
光彦「身体、弱いんじゃないですか？」
元太「うな重食って、精つけろよ」
コナン「クシャミなんかしてどうした、愛梨」
歩美、光彦、元太、コナンが心配そうに言い、隣の席でファッション雑誌をめくっていた灰原がチラッと見る。
愛梨「や……誰か私の噂でもしてんのかな？」
愛梨は苦笑いをしながらトランプを集めた。
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セレーナ - 37話の下から二行目のセリフ小五郎じゃなくて次郎吉だと思うわ (2018年11月26日 20時) (
レス) id: 40108fa981 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - ふたりともすごいねはたして犯人は捕まえるのかな次回どうなる楽しみです (2017年1月6日 22時) (レス) id: ebf61ebbdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2017年1月2日 1時
