36話 ボーッとする理由 ページ39
ちひろは翔の机に手を置き、体を乗り出した。
「な、なんだよちひろ。
別にケンカなんてしてねーよ」
ジュースを飲みながら平然と答える翔にちひろは怒ってポコポコと頭をたたく。
「ウソつくんじゃないわよ！！
ずーと陰気くさい顔して！！
ビシッとしなさい！！」
「うるせーな、ほっとけよ！」
ギャーギャーとケンカを始める二人に慣れた周りが苦笑いしていると、八王子に呼び出されていたAが帰ってきた。
Aは教室に入った瞬間目が合った爽歌に微笑みかけると、騒がしい翔とちひろの元へと向かった。
チラリと見た輝は自分の机に座っている。
『何してんの、2人とも』
Aの声にピタリと二人のケンカがやみ、ちひろはAに笑顔を向けた。
「お帰り、A。先生なんだって？」
「おい、ちひろッ！はなせって！」
「うっさい！」
『アハハ…。ちょっと放課後劇に出てほしいって。
だから今日の部活は悪いけど、パスね』
二人の取っ組み合いに苦笑いをして片目をつぶり、右手を上げて平謝りすると、ちひろは思い出したようにAを見た。
「そういえば、助っ人でもいいから演劇部に入って欲しいって先生に言われたんだっけ」
『うん。それとさ、翔』
「ん？」
今だにちひろに締め上げられている翔にAが視線を移すと、自分の机でぼーっとしている輝を指差す。
『輝、どうしたの？さっき声かけても返事なかったんけど』
「そうよ！ついには輝までぼーっとしちゃって。
アンタたち本当に何もないの？」
今思い出したようにちひろはまたもや翔に詰め寄った。
が、翔はまたもや知らない風に答え、そんな翔にキレたちひろがまた翔を締め上げる。
Aはそんな二人に苦笑いして輝の方に視線を向けた。
いつもなら笑顔で返してくれる輝は今だにぼーっとしていて、自分たちが騒いでいても話にすら入ってこない。
(どうしたんだろう…)
首をかしげるAを見て、翔は部活が終わった後に輝に話した内容を思い出した。
「輝、ちょっといいか？」
「ん？」
翔に呼ばれた輝は急いで着替えて翔のそばによる。
「ちょっと、早くしないと置いてくよ」
『2人とも早くー』
自分たちをせかす幼馴染みに翔は返事をして輝を真剣な眼差しで見つめる。
輝はなぜそんな目で見てくるのかわからなくて、きょとんとすると、次に翔が言った言葉に目を見開く。
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琴音 - めちゃくちゃ、キュンキュンしました！ありがとうございました🙇 (2022年4月12日 23時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 私も鈴木君！好きなので嬉しいいです！！ (2020年4月15日 3時) (レス) id: 623759395b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2016年11月23日 18時
