29話 複雑な心 ページ32
本日五個目のシュークリームを食べながら翔が言うと、Aは苦笑いをした。
ちひろはホ…としたように安堵する。
「よかった…」
そんなちひろを見て、双子とAは顔を見合わせて微笑みあった。
こうして創立祭は無事に終わり、数日後。
ピンポンパンポーン
【今日のお昼の放送はリクエスト多数につき、1年4組が創立祭で発表した「不思議なアリスのガラスの靴と7匹のうさぎ」を放送します】
「この間の劇流れてるよ！！」
「全校生徒のアンケート1位だったもんね！！」
「見て見て。A、すっごく可愛い〜♡」
学校ではにわかにAブームが起きていた。
Aは双子とちひろと一緒にいるが、音楽を聴いていて、周りの声は聞こえていなかった。
ただ、放送の声は聞こえていたので、チラッとテレビに目をやると幼馴染みたちに気づかれないように頬を染める。
ーー自分でも信じられない。
あんなに大勢の前で演技ができてたなんて…。
あの熱狂、あの興奮、たくさんの拍手。
まるで夢の中にいるみたいだった……。
ちひろは翔の机に腰掛けて自分と背中合わせに座っているAをチラリと見て、音楽を聴いてることを確認すると、隣で同じくイヤホンをして音楽を聴いている双子に話しかける。
「A、すっかり有名人だね。
私もビデオ見てビックリしちゃった。
昔から才能あったのは知ってたけど、大勢の前で演技するのは初めてなのに…。
あんなに堂々としてるA、久しぶりに見たかも」
ちひろの声に片方だけイヤホンをはずした輝は悪戯っ子のように笑う。
「ヘヘッ、だよな！！すげーよな！！」
ちひろと翔はそんな輝を見てチラリとAを見ると、顔を見合わせて笑った。
「黒瀬ってすげーな。
オレ、見直した」
「オレも。
いつも明るくて面白いヤツだと思ってたけど、印象かわったな」
(ヘヘッ。そーだろ、そーだろ)
なんか嬉しい。
輝は機嫌よく笑っていると、次の男子の言葉にピクッと反応した。
「前から可愛かったけど、あーやって演技してるともっと可愛いよな。
オレ、前々からあの顔、かなり好みだったんだよね」
「オレもオレも♡」
(なんか…フクザツだ…)
昔から一緒にいた自分が一番Aのことを知っているのに。
すると、次の言葉に今度は翔が反応する。
「星野だってさ、よく見るとけっこー可愛いし。
オレ、メガネとった顔、かなり好みかも」
「オレもそれ思った♡」
双子はむーっと顔をしかめた。
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琴音 - めちゃくちゃ、キュンキュンしました！ありがとうございました🙇 (2022年4月12日 23時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 私も鈴木君！好きなので嬉しいいです！！ (2020年4月15日 3時) (レス) id: 623759395b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2016年11月23日 18時
