1話 入学式 ページ3
「〈ねえ、ヒロト。笑わないで聞いてくれる？〉」
「〈たとえ生まれかわっても、私もう一度あなたに恋をする〉」
「〈あなたが好き…！！〉」
寝っ転がってせんべいを食べながらテレビを見ていた翔はピッとチャンネルを変えた。
「セリフクサすぎて見てらんねぇ」
「スポーツニュース見よーぜ」
隣で同じくせんべいを食べていた輝がスポーツチャンネルに変える。
「あッ、ちょっと翔！！輝！！今いいとこだったのに！！勝手にチャンネル変えないでよ！！」
「えーつまんねーよ、このドラマ」
「おいおい、母さん、輝、翔おちつけって…」
鈴木家のケンカは外にまで聞こえていた。
「まーたチャンネル争いでケンカしてる」
「いつもにぎやかね。隣の鈴木さんちは…」
「輝ー！そろそろ出るぞー」
「おう！」
近所でも、とってもにぎやかで有名な鈴木さん。
「「んじゃ、行ってくる！！」」
双子の兄弟である翔くんと輝くんは、今日から中学一年生です。
「ん？」
「どうかしたのか、輝」
入学式に遅れない程度にゆっくり話をしながら歩いていた双子だが、ふと弟の輝が前方を見て足を止めた。
兄の翔はそんな片割れを不思議に思って尋ねながら同じ方向へと視線を向ける。
「あれ、あそこにいるのは…」
「…チッ、」
「あ、おい！輝！」
翔の言葉の途中で、輝は大きな舌打ちをし、目にも止まらぬ速さで走り出した。
それに遅れながらも翔は片割れの後をおいかける。
「だから、これから入学式だって言ってるでしょ！！」
伊藤ちひろ
翔と輝とAの幼馴染み
『そろそろどいてくれないと遅刻するんですけど…』
黒瀬A
翔と輝とちひろの幼馴染み
双子が向かう先には、数人の男に囲まれた二人の美少女。
こちらの美少女はお互い幼馴染みで昔から一緒にいた、大の心友である。
ちなみに、この二人は鈴木兄弟と幼馴染みだ。
「いいじゃん、そんなのサボっちゃえば」
「オレたちと遊びに行こうよ」
「その制服、南中だろ？キミたち中学生に見えないくらいかわいーよね♡」
二人は男たちの言葉に何も返さない。
いつまでも目の前にいる男たちにイライラを募らせていた。
((あーしつこい！！股間にケリでも入れてやろうかしら))
ついにはこんな物騒なことを本気で考え始め、男たちに気づかれないようにお互いをチラリと見て足を後ろに引き、ケリの準備をする。
「Aッ！！大丈夫か！？」
「よぉ、ちひろにA。オマエらいっちょまえにナンパされてんのか」
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琴音 - めちゃくちゃ、キュンキュンしました！ありがとうございました🙇 (2022年4月12日 23時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 私も鈴木君！好きなので嬉しいいです！！ (2020年4月15日 3時) (レス) id: 623759395b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2016年11月23日 18時
