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51話 ページ1

愛梨『あなたのパソコンのデータ───2枚の〈ひまわり〉を破壊するための計画書をね』

愛梨が言うと、それまで険しい顔つきだったなつみが観念したようにフッと口の端を持ち上げた。

なつみ「……どうやらもう、ごまかしようがないようね」

次郎吉「お主は5枚目の〈ひまわり〉、そして〈芦屋のひまわり〉を破壊するためにわしのチームに入ったんじゃな!?」

次郎吉が歩み寄ると、なつみは「そうよ」と口を開いた。

なつみ「しかし怪盗キッドとブラックという邪魔者が入ったため、思うように行かなくなってしまった……」

チャーリー「それでキッドとブラックの介入が難しい、このレイクロックで火災を起こし、2枚の〈ひまわり〉を燃やそうとした……」

チャーリーの推理に、なつみは「ええ」とうなずく。

なつみ「でも初めはこんなに大事になるつもりはなかった。停電を利用して〈芦屋のひまわり〉と5枚目の〈ひまわり〉を始末すれば全てが終わる予定だったのに……キッドとブラックに続いて黒服までもが邪魔を……」

次郎吉「だが、どうやって〈ひまわり〉を?安易に触れれば安全装置が働いて───」

次郎吉がたずねると、なつみは顔を上げて微笑んだ。

なつみ「簡単よ。持ち込んだ可燃性液体をかければね」

小五郎「可燃性液体……!?」

小五郎が顔をしかめる。
すると隣の中森が答えた。

中森「常温で自然発火する恐れがある危険な薬品だ」

次郎吉「ではワシを殺そうとしたのは、お主だったのか……」

次郎吉と久美子は物悲しげな瞳でなつみを見つめた。
考え込んでいた小五郎が「そうか」と顔を上げる。

小五郎「主催者が亡くなれば開催が遅れるし、展覧会自体がなくなる可能性もあるからな」

石嶺「だが、なぜだ?」

石嶺と圭子は理解に苦しむように顔をしかめた。

圭子「今回の火災や飛行機の爆破……下手をしたらあなた自身死んでいたかもしれないのよ、なつみ!」

なつみ「私は……私はそれほどゴッホの〈ひまわり〉を愛しているの!!」

うつむいたなつみは胸の前で強く拳を握った。

なつみ「あの2枚目の贋作が、ゴッホの〈ひまわり〉と並んで展示されるくらいなら、死んだ方がマシよ!!」

コナン『あんたの言動には何の真実味もねーよ』

コナンが厳しい言葉をなつみに突きつける。

愛梨『5枚目の〈ひまわり〉はシカゴ美術館とゴッホ美術館の論文で本物だと証明されているじゃない。ゴッホとゴーギャンは、同じ布を2人で分けて絵を描いていた』

52話→



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作者名:さきっち | 作成日時:2016年11月20日 23時

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