6話 ページ6
『先ほど7人のサムライとおっしゃってましたが、ここには六名しかいないようですが……』
次郎吉『うむ。残りの1名は日本に着いてからのセキュリティ強化要員じゃ。その者の名は、毛利小五郎じゃ!!』
次郎吉の口から出た名前に、コナンと愛梨は「!!」と目を見開いた。
コナン「よりによって7人目がおっちゃんかよ……」
頬杖をついた灰原はチラリとコナンと愛梨を見た。
哀「今ならもれなくキッド&ブラックキラーがついてくるからじゃないかしら」
愛梨「え?」
哀「頑張ってね、菊千代さん」
映画〈七人の侍〉に出てくる七人目の侍の名前で呼ばれた二人は眉をひそめた。
すると、背後で「あっ!スゴーイ!!」と歩美の声がした。
歩美「園子お姉ちゃんがテレビに出てるよー!」
光彦「本当ですね!」
元太「見よーぜ、見よーぜ!」
子どもたちはスイカが盛られた皿を持ちながら、ソファに座った。
テレビでは、毛利小五郎の名を知らない司会者が『ミスター毛利とは?』とマイクを次郎吉に向けた。
次郎吉『お〜、おぬしたちには〈眠りの小五郎〉と言った方がわかりやすかったかもしれんな』
『ああ!あの名探偵のミスター毛利ですか!』
次郎吉『うむ。〈ひまわり展〉は全てにおいて最高の布陣で挑む』
次郎吉の記者会見を中継していたテレビは、会場でトラブルが発生したと伝え、中継を中止して映像をスタジオに切り替えていた。
しばらくして、アナウンサーが手元に届けられたニュース原稿を読み上げる。
『ゴッホの〈ひまわり〉を落札した鈴木次郎吉氏の会見場に、怪盗キッドと怪盗ブラックが現れました。キッドとブラックの目的はまだ不明ですが、逃亡を図ったようです』
画面が切り替わり、会見場を撮った一枚の写真が映し出された。
床に伏せたカメラマンが撮ったものだろうか───キッドとブラックらしき人物が天井にぶら下がったワイヤーを手にして宙を舞う姿が写っている。
番組もそれ以上は情報をつかんでいないらしく、アナウンサーは同じ情報を繰り返した。
歩美「あれ?もう終わり?」
元太「キッドとブラックが〈ひまわり〉を盗んでったのか?」
光彦「おかしいですね。キッドとブラックは宝石しか狙わないはずですけど……」
首をかしげる子どもたちの前で、コナンと愛梨はテレビ画面を見つめていた。
中継が中止される直前に映った、宙を舞う純白と漆黒のマント───。
(一瞬しか見えなかったが……あれは本当にキッドとブラックだったのか……?)
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作者名:さきっち | 作成日時:2016年10月25日 22時