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37話 ページ37

机のそばで立っていた園子は首をかしげた。

園子「なぜキッド様とブラック様はこんなわかりづらい予告状にしたのかしら」

蘭「それ以前に、あのカードって本当に予告状なのかしら」

蘭の隣に立っていたコナンと愛梨は二人の会話を聞いて、確かに予告状と決めつけるのは早計か……と思った。
コナンと愛梨が考え込んでいると、次郎吉が「まあよい!」と立ち上がった。

次郎吉「このカードが何を予告していようと、彼奴らを捕まえて本人に直接訊いてくれようぞ。───キッドとブラックをレイクロックに閉じ込める。協力してくれ」

中森「あ、ああ」

次郎吉「後藤!観客、キャスト全員を退館させるんじゃ!!」

後藤「はい!」

モニターの前に座っていた後藤は振り返ってうなずき、再び前を向いて操作に戻った。
小五郎が「いやしかし」と腕時計をチラリと見る。

小五郎「開館してからまだ1時間も経ってねぇ。そんなことしたら暴動が起きかねませんよ」

次郎吉「安心せい。初日は何が起こるかわからんからな。会社関係者や園子の知人しか招待しておらんわい」

次郎吉がニヤリと笑うと、久美子が「相談役」と声をかけた。

久美子「我々は予定どおりに警戒にあたります」

次郎吉「うむ。よろしく頼むぞ。7人のサムイラたちよ」

次郎吉はそう言って小五郎を見た。

小五郎「そうか。緊急時の決まりがあったな」

小五郎とチャーリーが立ち上がり、七人のサムライは円陣を組んだ。

久美子「では、計画どおりに。持ち場を移動する場合は連絡を取り合いましょう」

久美子が言うと、一同は耳に通信機を取り付け、警備室を出て行った。





次郎吉「観客の退館誘導はどうなっておる?」

次郎吉がたずねると、後藤はパネルを操作した。右モニターに新たなウインドウが開き、エレベーターやチューブ通路の様子が映し出される。

後藤「順調です。問題があるとすれば、出口での各種検査でしょう」

次郎吉「X線検査は不要じゃ。荷物の返却が済み次第退館させよ」

中森「オイッ!そんなことしたらキッドとブラックに逃げられちまうぞ」

振り返る中森に、次郎吉は「安心せい」と言った。

次郎吉「獲物を目の前にして逃げ出すようなヤツらではないこと、お主もよく知っておろうて!」

中森「……まぁ、ヤツらな館内に残るだろうな」

次郎吉「そこでじゃ。出入り口の隔壁を閉じ、彼奴らを閉じ込める」

次郎吉はそう言って右手をグッと握りしめた。

次郎吉「レイクロックに入ったということは、」

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作者名:さきっち | 作成日時:2016年10月25日 22時

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