33話 ページ33
元太「何だよ、毒は関係ねーのかよ」
阿笠「というわけで、わしのチケットはだ〜れにもやら〜ん!」
阿笠博士はそう言うと、またグフフフフ……と不気味な笑みを浮かべた。
コナン「ってことで、みんなで〈ひまわり〉を見たいなぁと思って……ダメかなぁ？」
子どもたちと一緒に次郎吉の家を訪ねたコナンと愛梨は、チャーリーや学芸員らと会議室に集まっていた次郎吉にダメもとで頼んでみた。
元太「なぁ〜頼むよ」
歩美「お願〜い」
光彦「お願いします!」
コナンや愛梨、灰原とテーブルについた子どもたちも頼み込むと、次郎吉は腕を組んで考え込んだ。
次郎吉「よかろう!」
「やった〜!!」
てっきり断られると思っていたコナンと愛梨は「え!?」と目を丸くした。
愛梨「本当にいいの？」
次郎吉「ただし、お主らには今まで以上に協力してもらうぞ」
次郎吉がアッアッア……と高らかに笑い、愛梨の隣に座った灰原は「よろしくね。キッド＆ブラックキラーさん」と嫌味っぽく言った。
チャーリー「鈴木相談役。そろそろ会議を再開しないと」
次郎吉「うむ、そうじゃな」
次郎吉の横に立っていた園子が子どもたちを見る。
園子「じゃあ、みんな送ってあげるから帰ろう。ルパンもおいで」
園子の隣でおすわりをしていたルパンは嬉しそうにワンッとほえた。
園子「おじ様。蘭とAと新一君のチケットも忘れないでね」
次郎吉は「うむ」とうなずくと、石嶺を呼んだ。
次郎吉「すまぬが先に行っといてくれ」
石嶺「はい。各車両の時間とルートが決まったら連絡ください」
子どもたちと部屋を出ていこうとしたコナンと愛梨は、二人の会話を聞いて足を止めた。
愛梨「ねぇ。美術館までどうやって運ぶの？」
コナン「レイクロックのセキュリティは完璧でも、そこに運ぶまでが一番危険だよ」
次郎吉「安心せい。ダミーの運送車両を大量に用意しておる」
チャーリー「どの車両が本物か知るのは、私だけだ」
そばにいたチャーリーが付け加えると、コナンは「そう。チャーリーさんなら安心だね」と笑みを浮かべた。
が、すぐに愛梨が真剣な表情でチャーリーを見つめる。
愛梨「でもそれを使うつもりなら忘れないでよ。簡単に奪っていい命なんて、この世に一つもないんだから」
チャーリー「覚えておこう」
腕を組んだチャーリーは、冷ややかな目で愛梨を見る。
チャーリー「だが、理想を追い求めていると、いつか現実に裏切られるぞ。今回の怪盗キッドとブラックのようにな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 139人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「名探偵コナン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さきっち
| 作成日時：2016年10月25日 22時
