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31話 ページ31

横向きに置かれた〈ひまわり〉だった。

小五郎「おおっ!!〈ひまわり〉じゃねぇか」

中森「取り戻したのか!?」

中森がたずねると、チャーリーは「ええ」とうなずいてベッドの紙幣を見た。

チャーリー「しかし、お金は……」

次郎吉「構わん、構わん。ようやった!」

激しく首を横に振った次郎吉は、意気揚々と拳を突き上げた。

次郎吉「今から記者会見じゃ!」

東都プラザホテルの正面玄関には大勢の報道陣が集まり、キッドとブラックから取り戻した損保ジャパン日本興亜美術館の〈ひまわり〉にカメラが一斉に向けられた。
〈ひまわり〉の横には次郎吉、中森、小五郎が並んで立ち、インタビュアーの女性が「鈴木相談役!」と次郎吉にマイクを向けた。

「あらためて怪盗キッドとブラックとの対決に勝った感想をお聞かせください」

次郎吉「キッドとブラックなど恐るるに足りん。〈ひまわり〉を所有する者たちも安心せいっ!!」

のけぞって高笑いする次郎吉が報道陣からの激しいフラッシュを浴びる。
ロビーの柱の陰にいたコナンと愛梨は、どこか腑に落ちない様子で記者会見を見ていた。

(何だ/何?このできすぎた展開は……)

次郎吉が〈ひまわり〉を取り戻したことで、損保ジャパン日本興亜美術館はもちろん他の〈ひまわり〉の所有者たちも、次郎吉に〈ひまわり〉を快く貸し出すことになるだろう。
そもそもビッグジュエルしか狙わらないキッドとブラックがなぜ二度も〈ひまわり〉を盗み、それぞれの〈ひまわり〉が戻ってきたのか───。
考えれば考えるほど、不可解な点が多すぎる気がした。





ニュース番組を見た歩美、光彦、元太はさっそく阿笠博士の家に集まり、テーブルに置かれたノートパソコンで〈日本に憧れたひまわり展〉の申し込みをした。

歩美「あー、外れた!」

画面に『ハズレ!』の文字と次郎吉の残念そうな顔が表示されて、歩美ががっくりとうなだれた。

光彦「博士の家の回線なら当たると思ったんですが……」

歩美の隣で肩を落とす光彦に、コナンと愛梨は(どんな理屈だよ)と心の中で突っ込んだ。

元太「何だよ、みんなハズレかよ〜!」

歩美「本当にアタリなんてあるのかなぁ」

元太と歩美が訝しげにハズレ画面を見つめる。

光彦「博士、この画面当たるとどうなるんですか?」

光彦はそばで見ていた阿笠博士にたずねた。

阿笠「最初に登録した顔写真が正式に登録され、IDと暗証番号が表示されるんじゃよ。それを申し込み画面に打ち込むと」

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作者名:さきっち | 作成日時:2016年10月25日 22時

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