30話 ページ30
コナンは腕時計型麻酔銃のつまみを押し、照準器を立てた。
愛梨がチャーリーと変わってドアを勢いよく蹴ると───大量の紙幣が一気に流れ出してきた。
コナン,愛梨「ぐっっ!」
部屋に飛び込んだ二人に紙幣が吹きつけ、視界をさえぎった。
懐から銃を取り出したチャーリーが窓に向けて構える。
館長「うひゃああ!」
銃を向けられた館長は悲鳴を上げて尻餅をついた。
すると、乱れ飛ぶ紙幣の向こうに───ワイヤー銃を持ったキッドとブラックがベランダの柵に着地するのが見えた。
コナン「キッドーーー!!」
(仮名「ブラックーーー!!」
二人が叫ぶと同時に、チャーリーはキッドとブラックに銃口を向けた。
キッドとブラックがニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
パンッと銃声が響き、チャーリーが放った銃弾は宙を舞う紙幣を突き抜けた。
が、その先にキッドとブラックの姿はなかった。
チャーリー「クソォ、キッドとブラックめ……!!」
銃を下したチャーリーが忌々しそうにつぶやく。
迷うことなくキッドとブラックに向けて銃を撃ったチャーリーを、二人は険しい顔で見つめた。
チャーリーは銃を懐にしまうと、紙幣が散乱する床にうずくまった館長に歩み寄った。
チャーリー「お怪我はありませんか?」
館長「あ、ああ……」
チャーリー「キッドとブラックは〈ひまわり〉をもってきたんでしょうか?」
館長「いや、わかりません……」
二人は荒れた部屋を見回した。
カーテンは引きちぎれ、床やベッドには紙幣やジュラミンケースが散乱し、ベッドのヘッドボードの上に飾られたレオナルド・ダ・ヴィンチの〈最後の晩餐〉ははがれかかっている。
そのはがれかかった絵の下に、キャンバスが見えた。
コナン「チャーリーさん!アレ!ベッドの上の絵を見て!」
顔を上げたチャーリーがキャンバスに気づいたと同時に、中森が部屋に飛び込んできた。
中森「キサマら〜っ!!よくも台無しにして───」
すると血相を変えた次郎吉がドンッと中森を押しのけて部屋に入ってきた。
次郎吉「チャーリー!彼奴らは?キッドとブラックはどうした!?」
チャーリー「取り逃がしました」
チャーリーは窓ガラスが粉々に割れたベランダを振り返った。
次郎吉「では〈ひまわり〉は……」
愛梨「大丈夫。〈ひまわり〉は無事だよ」
愛梨はそう言ってベッドボードの上の〈最後の晩餐〉を見た。
チャーリーがベッドに上がり、はがれた絵を勢いよくはがす。
すると、絵の下から現れたのは───
139人がお気に入り
「名探偵コナン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さきっち | 作成日時:2016年10月25日 22時