検索窓
今日:18 hit、昨日:56 hit、合計:98,040 hit

30話 ページ30

コナンは腕時計型麻酔銃のつまみを押し、照準器を立てた。
愛梨がチャーリーと変わってドアを勢いよく蹴ると───大量の紙幣が一気に流れ出してきた。

コナン,愛梨「ぐっっ!」

部屋に飛び込んだ二人に紙幣が吹きつけ、視界をさえぎった。
懐から銃を取り出したチャーリーが窓に向けて構える。

館長「うひゃああ!」

銃を向けられた館長は悲鳴を上げて尻餅をついた。
すると、乱れ飛ぶ紙幣の向こうに───ワイヤー銃を持ったキッドとブラックがベランダの柵に着地するのが見えた。

コナン「キッドーーー!!」
(仮名「ブラックーーー!!」

二人が叫ぶと同時に、チャーリーはキッドとブラックに銃口を向けた。
キッドとブラックがニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
パンッと銃声が響き、チャーリーが放った銃弾は宙を舞う紙幣を突き抜けた。
が、その先にキッドとブラックの姿はなかった。

チャーリー「クソォ、キッドとブラックめ……!!」

銃を下したチャーリーが忌々しそうにつぶやく。
迷うことなくキッドとブラックに向けて銃を撃ったチャーリーを、二人は険しい顔で見つめた。





チャーリーは銃を懐にしまうと、紙幣が散乱する床にうずくまった館長に歩み寄った。

チャーリー「お怪我はありませんか?」

館長「あ、ああ……」

チャーリー「キッドとブラックは〈ひまわり〉をもってきたんでしょうか?」

館長「いや、わかりません……」

二人は荒れた部屋を見回した。
カーテンは引きちぎれ、床やベッドには紙幣やジュラミンケースが散乱し、ベッドのヘッドボードの上に飾られたレオナルド・ダ・ヴィンチの〈最後の晩餐〉ははがれかかっている。
そのはがれかかった絵の下に、キャンバスが見えた。

コナン「チャーリーさん!アレ!ベッドの上の絵を見て!」

顔を上げたチャーリーがキャンバスに気づいたと同時に、中森が部屋に飛び込んできた。

中森「キサマら〜っ!!よくも台無しにして───」

すると血相を変えた次郎吉がドンッと中森を押しのけて部屋に入ってきた。

次郎吉「チャーリー!彼奴らは?キッドとブラックはどうした!?」

チャーリー「取り逃がしました」

チャーリーは窓ガラスが粉々に割れたベランダを振り返った。

次郎吉「では〈ひまわり〉は……」

愛梨「大丈夫。〈ひまわり〉は無事だよ」

愛梨はそう言ってベッドボードの上の〈最後の晩餐〉を見た。
チャーリーがベッドに上がり、はがれた絵を勢いよくはがす。
すると、絵の下から現れたのは───

31話→←29話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
139人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さきっち | 作成日時:2016年10月25日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。