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29話 ページ29

六分割された画面の上段中央には、ソファに座って汗を拭く館長の姿が映っている。

(何/だ……この違和感……何かがさっきまでと違っている)

館長がため息をついてテーブルに手を置くと、飲みかけのペットボトルの水面が少し揺れた。
ペットボトルの映像を見たとたん───二人の全身の毛がブワッと逆立った。

(ヤベェ!/ヤバイ!そういうことか───!!)

椅子から飛び下りた二人は、扉を開けて廊下に出た。
モニターに集中していたチャーリーが、扉の開く音に気付いて振り返る。

チャーリー「しまった……!」

空になった椅子と開けっ放しの扉を見て、チャーリーは駆け出した。
が、すぐに戻ってきて扉の横に置かれたキーボックスを見る。
一枚だけ棚からキーカードが抜かれていた。

チャーリー「アイツら、マスターキーを……!!」





警備室を飛び出した二人は、エレベーターホールに向かった。
ジャンプしてエレベーターのボタンを押すと、コナンがズボンのポケットをまさぐって腕時計を取り出した。

コナン「クソォ、時間がねぇ。早く来てくれ!」

苛立ちながらエレベーターの表示を見上げると、

チャーリー「キッド&ブラックキラー!」

チャーリーが走ってきた。

チャーリー「何があった?」

愛梨「いいから乗って!」

コナンと愛梨は到着したエレベーターに飛び乗った。
扉が閉まってエレベーターが上昇すると、チャーリーは険しい顔で二人を見た。

チャーリー「説明してもらおうか!」

コナン「館長さんが飲んでいたペットボトルの水位が上がってたんだ。おそらく部屋の気圧が高くなってる」

チャーリー「ヤツらは何をするつもりだ!?」

愛梨は「わからない」と首を横に振った。

愛梨「でも、一刻も早く部屋の気圧を戻さないと、キッドとブラックの思うつぼだよ」





一四一二号室の前に到着したチャーリーはカードキーを差し込み、ドアノブを回した。

チャーリー「クソッ!開かん!!」

コナン「気圧の差で内側から扉が押されてるんだ!」

チャーリー「ヤツらの狙いはこれか!?」

ドアに体当たりするチャーリーの背後で、二人は険しい表情をした。

(いや……扉のロックのためだけにこんな大掛かりなことをするはずがねぇ/ない。ヤツらの狙いは一体……)





チャーリーは必至にドアに体当たりを続けていた。
ドアがグググ……と押されていく。

チャーリー「よし!開くぞ!!」

コナン「うん!」

愛梨「チャーリーさん、後は私がやります」

チャーリー「あ、ああ」

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作者名:さきっち | 作成日時:2016年10月25日 22時

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