3話 ページ3
歩美「仮面ヤイバーだー!!」
風になびくマフラーや手袋など細部まで見事に再現されたスイカの仮面ヤイバーに、子どもたちは興奮の声を上げた。
光彦「どーやったんですか、コレ!?」
阿笠「フン、企業秘密じゃよ」
光彦の質問に、阿笠博士がフォッホッホ……と高笑いをする。
子どもたちの後ろにいたコナンと愛梨は、スイカでできた仮面ヤイバーを見てガックリと肩を落とした。
(何やってんの/だよ、博士……他に作るモンあんだろ〜……)
元太「うまそうだな、食べてみよーぜ!」
光彦「ダメですよ、もったいない」
歩美「そうだよ、写メ撮ってからにしよ〜!」
『では、〈芦屋のひまわり〉は贋作だったと!?』
子どもたちが盛り上がる中、テレビからアナウンサーの声が聞こえてきて、コナンと愛梨は再び振り返った。
そしてテレビの方へ歩いていき、ソファに腰掛ける。
『ええ、その可能性はなくはありません。さらには、ゴッホが描いた〈ひまわり〉は7枚目ではなく、8枚目だったという説も新たに出てきています』
初めて聞く情報に、二人は思わずへぇ……とつぶやいた。
アナウンサーも『それはどういうことでしょう?』と問いかける。
『今回、鈴木財閥が落札した〈ひまわり〉と70年前に日本で焼失した〈芦屋のひまわり〉、このどちらかがゴッホ自身が描いた模写作品だという説です』
コメンテーターが説明を始めると、スタジオのモニターに表示された〈芦屋のひまわり〉が二枚になり、全部で八枚のひまわりの絵が製作順に並んだ。
『作者自身が模写を作ることなんて本当にあるんですか?』
『ええ。〈ひまわり〉は現存する7枚のうち3枚が模写で、そのどれもゴッホ自身が描いたものなんですよ』
12本のひまわりを描いた7番目の絵と、15本のひまわりを描いた5番目と6番目の絵が拡大表示される。
『いずれにしろ、今回の作品もゴッホが描いたものですから、今後の研究でいろいろなことがわかってくるでしょう』
二人が熱心にテレビを見ていると、割れたスイカを手にした灰原がやってきた。
哀「ゴッホもいいけど、博士の作品にも興味を持ってあげたら?なかなかの芸術作品よ」
コナン「珍しく好評みてーだな……」
愛梨「うん……」
スイカでできた仮面ヤイバーと写真を撮っている子どもたちの横で、コナンと愛梨の視線に気づいた阿笠博士がピースサインをした。
灰原はスイカをテーブルに置き、二人の正面に腰かけた。
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作者名:さきっち | 作成日時:2016年10月25日 22時