1話 ページ1
夏休みに入り、コナンたちは朝から阿笠博士の家に遊びに来ていた。
リビングのソファに座っていた愛梨の隣にコナンが座ってテレビをつけると、次郎吉が史上最高額で〈ひまわり〉を落札したというニュースが流れていた。
『鈴木次郎吉氏のインタビューをお送りする前に、この度史上最高額で落札された〈ひまわり〉がどのような絵画なのか、専門家の方に詳しく説明してもらいましょう』
二人がニュースを見ていると、歩美が「愛梨ちゃん、コナン君、始まるよ!」と呼びに来た。
歩美「早く、早く!」
歩美にせかされて、コナンと愛梨は顔を見合わせソファから立ち上がった。
中央のキッチンの前では、光彦、元太、そして灰原が阿笠博士の発明したマシンを囲んでいた。
阿笠博士の胸ぐらいまである四角い形のマシンは、正面がロボットのような顔をしていて、横に二つ並んだ丸の下に三角形のモニター、そしてその下には口のような大きな四角い扉がついている。
阿笠博士はマシンの上部にあるフタを開けた。
『この作品はなぜ最近まで日の目を見ることができなかったんでしょうか?』
アナウンサーの声にコナンと愛梨がテレビを振り返ると、次郎吉が落札した〈二枚目のひまわり〉が映し出された。
その両側にアナウンサーとコメンテーターが並んでいる。
『それは、この絵が第二次世界大戦で焼失したといわれていたからなんです』
コメンテーターの言葉に、アナウンサーは『焼失!?』と身を乗り出した。
『では、今回の作品は偽物……』
『いえ、そういわれ続けていただけだったんです』
『と、いいますと……?』
二人は足を止め、完全にテレビの方を向いていた。
コメンテーターが『こちらをご覧ください』と新聞記事が貼られたフリップボードを出す。
『昨年のニュースなので覚えている方もいると思いますが、フランスのアルルでゴッホの作品と思われる絵が新たに見つかったんです』
『ああ……そういえば、古い民家の屋根裏部屋で見つかったって話題になりましたね』
『ええ、それが今回の〈ひまわり〉だったんです』
新聞記事には“日本で焼失したはずのゴッホのひまわり見つかる!!贋作か!?真作か!?”と大きく書かれた見出しの下に、南フランスの田舎の風景の写真が載っていた。
一面に広がる畑の中にぽつんと一軒家が写っている。
阿笠「ほれ、始まるぞ!」
二人が振り返ると、阿笠博士が大きなスイカを抱えていた。
テレビを気にしつつ、コナンと愛梨は子どもたちのところへ向かう。
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作者名:さきっち | 作成日時:2016年10月25日 22時