検索窓
今日:12 hit、昨日:14 hit、合計:107,920 hit

19話 ページ19

阿笠「どうせなら二つでやってみたらどうじゃ?その方がキレイかもしれんぞ」

愛梨「ハハ……準備がよろしいようで」

愛梨はコナンと一緒にみんなから離れて、キック力増強シューズのスイッチを入れた。
右のシューズがパアァァと輝き出す。

阿笠「なるべく高く蹴るんじゃぞ」

コナン「わぁーったから、早くしてくれ」

愛梨「なんで、私まで……」

阿笠「よし、タイマーをセットしてと……」

ブツブツ文句を言っている愛梨を無視して、阿笠博士はバックルの先についたタイマーの秒数を合わせ、「行くぞ」とBボタンを二つとも同時に押した。
するとバックルから勢いよくボールが飛び出してきて、右足を後ろに振り上げたコナンと愛梨が高く蹴り上げた。

歩美「うわぁ、たかぁーい!」

阿笠「よっしゃ、いいぞー!!」

阿笠博士がボールを見上げながら拳を握る。
二つのボールは夜空に向かって一直線に伸びていき、やがて上がり切ったところでパーンと鮮明な光を放って花火のように破裂した。

歩美「きゃあああ!」

元太「うおおお、すげーっ!!」

光彦「お見事です!」

夜空に浮かび上がった大輪の花火に、子どもたちは両手を上げて大喜びした。
さすがのコナンと愛梨と灰原も目を丸くする。

阿笠「名付けて花火ボールじゃ。雪山で遭難したときに、役立つと思ってのう」

阿笠博士が満足そうに微笑むと、灰原は「そうね」と愛梨を見た。

哀「また誰かさんが雪崩とか起こすかもしれないし……」

(もう起こさないって)

愛梨は苦笑いをしながら、心の中で突っ込んだ。

哀「でもこれ……近所から苦情が来るわよ」

灰原が言ったそばから近所の家に次々と明かりがつき始め、阿笠博士は「うおっ!」慌てふためいた。

阿笠「それはいかん!哀君どうしよう!!」

灰原がハァ…とため息をつき、コナンと愛梨が「ったく……」とつぶやく。
すると、子どもたちはうらやましそうにコナンと愛梨を見た。

歩美「いいなぁ、愛梨ちゃんとコナン君だけ」

元太「ずりーぞ!博士〜」

光彦「ボクたちには何かないんですかぁ?」

阿笠「おっおお、こりゃまいったのぉ」

まさかのリクエストに、阿笠博士は困った顔をしながらも考え始めた。





隣に建つ工藤邸の二階の部屋には、いつの間にか明かりがついていた。
ガラスに映った花火の光が弱くなっていき、窓際に立った人物が浮かび上がる。
それは、居候の沖矢昴だった。
メガネの奥の瞳を細めながら、隣の屋上にいるコナンたちをじっと見つめていた───。

20話→←18話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
159人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

わー(プロフ) - 受験頑張ってください!更新いつでも待ってます☆ (2016年10月23日 22時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗アリス(プロフ) - 面白いです 更新頑張ってください。 (2016年9月2日 0時) (レス) id: b0830be5c7 (このIDを非表示/違反報告)
カリカリ梅(プロフ) - いつもみてるよ!更新頑張ってね! (2016年8月30日 15時) (レス) id: 67c7ff17b6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さきっち | 作成日時:2016年8月29日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。