19話 ページ19
阿笠「どうせなら二つでやってみたらどうじゃ?その方がキレイかもしれんぞ」
愛梨「ハハ……準備がよろしいようで」
愛梨はコナンと一緒にみんなから離れて、キック力増強シューズのスイッチを入れた。
右のシューズがパアァァと輝き出す。
阿笠「なるべく高く蹴るんじゃぞ」
コナン「わぁーったから、早くしてくれ」
愛梨「なんで、私まで……」
阿笠「よし、タイマーをセットしてと……」
ブツブツ文句を言っている愛梨を無視して、阿笠博士はバックルの先についたタイマーの秒数を合わせ、「行くぞ」とBボタンを二つとも同時に押した。
するとバックルから勢いよくボールが飛び出してきて、右足を後ろに振り上げたコナンと愛梨が高く蹴り上げた。
歩美「うわぁ、たかぁーい!」
阿笠「よっしゃ、いいぞー!!」
阿笠博士がボールを見上げながら拳を握る。
二つのボールは夜空に向かって一直線に伸びていき、やがて上がり切ったところでパーンと鮮明な光を放って花火のように破裂した。
歩美「きゃあああ!」
元太「うおおお、すげーっ!!」
光彦「お見事です!」
夜空に浮かび上がった大輪の花火に、子どもたちは両手を上げて大喜びした。
さすがのコナンと愛梨と灰原も目を丸くする。
阿笠「名付けて花火ボールじゃ。雪山で遭難したときに、役立つと思ってのう」
阿笠博士が満足そうに微笑むと、灰原は「そうね」と愛梨を見た。
哀「また誰かさんが雪崩とか起こすかもしれないし……」
(もう起こさないって)
愛梨は苦笑いをしながら、心の中で突っ込んだ。
哀「でもこれ……近所から苦情が来るわよ」
灰原が言ったそばから近所の家に次々と明かりがつき始め、阿笠博士は「うおっ!」慌てふためいた。
阿笠「それはいかん!哀君どうしよう!!」
灰原がハァ…とため息をつき、コナンと愛梨が「ったく……」とつぶやく。
すると、子どもたちはうらやましそうにコナンと愛梨を見た。
歩美「いいなぁ、愛梨ちゃんとコナン君だけ」
元太「ずりーぞ!博士〜」
光彦「ボクたちには何かないんですかぁ?」
阿笠「おっおお、こりゃまいったのぉ」
まさかのリクエストに、阿笠博士は困った顔をしながらも考え始めた。
隣に建つ工藤邸の二階の部屋には、いつの間にか明かりがついていた。
ガラスに映った花火の光が弱くなっていき、窓際に立った人物が浮かび上がる。
それは、居候の沖矢昴だった。
メガネの奥の瞳を細めながら、隣の屋上にいるコナンたちをじっと見つめていた───。
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わー(プロフ) - 受験頑張ってください!更新いつでも待ってます☆ (2016年10月23日 22時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗アリス(プロフ) - 面白いです 更新頑張ってください。 (2016年9月2日 0時) (レス) id: b0830be5c7 (このIDを非表示/違反報告)
カリカリ梅(プロフ) - いつもみてるよ!更新頑張ってね! (2016年8月30日 15時) (レス) id: 67c7ff17b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2016年8月29日 21時